2021年10月20日水曜日

SlayerExciterⅢを作る

PNPトランジスタを使ったもの。普通、効率の良いNPNトランジスタが使われるので、PNPは事例を見かけることがない。

回路図で、メインのコイルが逆さまに書いてあるが、理解しやすいようにしているだけで実際には普通のテスラコイルと同じ。


フリーエネルギー研究の中で、グランドが大きな電流を取り出す鍵になるという話がある。これをヒントにして通常とは逆転させてみた。このPNPトランジスタは、マイナス電源で利用されるもので、これを使えば何か違いがあるのではないかと考えた。マイナス電源ということは、つまり、グランドレベルの電圧よりも低い領域で動作させることができるということ。もしもグランドがエネルギーの貯蔵庫であるなら、それよりも低い電圧で取り扱うことでエネルギーが取り出せたりするかもしれないと思うのだった。


電流はプラスからマイナスに流れるものと定義されているが、本当は電子がマイナス側からプラス側へと動くことであり、どうもプラスとマイナスの定義が逆転しているようなのだ。このことは、真空管が使われるようになったときに分かったらしいが、すでに定まったものを逆転するのは憚られたと認識している。

また、電子は正孔に比べるととても小さいため容易に動く。 

これらのことがグランド側の優位性として働いているようにも思う。



コイルの方も新たに作った。

まずは、二次コイル。画像の右側、少し大きめ。VP25(Φ32㎜)に0.2㎜ワイヤーを約780回、長さが190㎜。画像の左側が前作のコイルで2.4MHzの共振周波数のもの。
この新しいコイルの目標とする周波数は、1.695MHz(27.12MHzの16分の1)とした。これはλ/2=88434.4㎜となる。
しかし、今までの実験結果から、共振周波数が10~20%程度低下することが分かってきたので、11%ほど高い周波数1.9066MHzの波長をもとにワイヤーの長さを78619.6㎜にした。

二次コイルのインダクタンスは 3516uH となった。

一次コイルの方は、前回同様パンケーキ型とした。ワイヤーは2.0sqのケーブルから取り出して被覆を取り去ったもの。7㎜ピッチで5回巻き。外径は約110㎜。
一次コイルのインダクタンスは、2.347uH となった。


出来上がったコイルをVNAで測定してみる。


このような感じの特性が得られた。黄色い線のGAINが1.598MHz付近でピークを作っている。目標よりやや低くなってしまったようだ。


そして、実際に動かしてみる。電源電圧12Vで、電流が0.592A前後。オシロスコープで測定した実際の共振周波数は、1.625MHz前後。目標が1.695MHzだったので、これまでのことを考えるとかなりいい数字になったと思う。


こちらのオシロスコープ画像は、2次コイルとドライブ基板の間にカレントトランスを入れて測定している。自家製のCTなので電流は目安程度。ここでは波形の形に注目している。
波形の谷から山へ向けた立上りでは、細かなトゲトゲしたラインになっている。この部分がトランジスタがON状態になり一次コイルに高周波電流が流れ、それによって引き起こされた磁界によって二次コイルが駆動されている状況。
そして、残りの部分である立下り時にはトゲトゲがないライン。こちらはトランジスタがOFFとなっているので、二次コイルの中で生じた波がそのまま観測されている。

そして、これが二次コイル先端で生じているアーク。

前作よりも少しだけ強く大きくなった。


ここで、以前作ったコイル(共振周波数が2.4MHzになるもの)をこの新しいPNPトランジスタを使ったドライバで動かしてみた。


電源電圧12Vで、電流が0.657A前後。電流がほんの少し増えている気がする。
そして興味深いのは、前作のSlayerExciterⅡのドライバ基板のときよりも、アークが長く伸びる。


この点について、トランジスタの仕様が異なるとか、使用したパーツの違いや基板上の作り方の違いもあるだろう。だから、比較のためにコンプリメンタリのNPNトランジスタを使ったものを作り、同じコイルを使って確かめてみたい。



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