2010年12月23日木曜日

考察



IRF520の出力は、設計では5W、実際には2Wぐらい。

終段のIRFP460は、Cissが4200pFある。これをドライブするには、どれぐらいの出力が必要だろうか?


という式がトロ活に書いてあるので、計算してみた。
Vccは12V、Vsatは、多分MOS-FETだとRdsによる電圧降下分だとおもわれるので、ここでは仮に0.04Vとする。

Rlは、Cissによるリアクタンスとなるので、次の式から、

f=4MHzだから、Xc=9.47[Ω] となる。
よって、Po=7.14[W]という数字が出てくる。

となると、今の出力では、IRFP460を十分にドライブできていないと言える。

2010年12月19日日曜日

なかなか難しいE級アンプ

最終段を組み上げて、いろいろと調整してみたものの、なかなか思うように行かない。

画像の上、大きく振幅しているのがIRFP460のゲート電圧で、5V/div。
下の波形がドレイン電圧波形で、50V/div。
MOS-FETがうまくOFFできず、2回に一度OFFしていることがドレイン電圧波形から見て取れる。

ちょっとどうしたら良いのかわからなくなって来たので、LTSpiceで解析をしてみようかと考えている。ただ、LTSpiceには、トロイダルコアが登録されておらず、これをつくらないと駄目みたい。

2010年12月11日土曜日

コイルを巻く

テスラコイル本体の製作に取り掛かった。

今回は、内径40ミリのVP管を15センチに切ったものをセカンダリーコイルの芯にした。外形は48ミリだった。

プライマリーは50ミリのVP管用のキャップを使うことにした。外形約65ミリ。

配線は、0.26ミリのラッピング用ETFE電線。ジュンフロン線ともいうらしい。AWG30、色は白。

2ミリの透明アクリル板を丸く削って、コイルのトップに乗せる蓋を作った。センターに3ミリのネジをつけれるように穴をあけた。

底にもアルミ板で作った蓋を作り、塩ビパイプとキャップをネジで固定できるようにした。


塩ビパイプにジュンフロン線を巻きつけるときに、線が緩んだりしないように、両面テープを使った。

前回テスラコイルを巻いたときも、この両面テープ「ナイスタック」を使った。厚みも比較的薄く、紙ベース。綺麗に巻くには必需品だと思う。

コイラーと呼ばれる、テスラコイルを作る人たちは、仕上げに高周波ニスを塗るようだけど、こいつはジュンフロン線だから塗らない。

今回のセカンダリコイルの巻き数は210回の予定。物が小さくて巻き数が少ないので手巻きにした。それから、コイルの巻く方向も、今回は少し考えがあって、左巻きとした。

左画像は、予定した210回+α巻き上げたところ。

のんびり巻いたので1時間ほど掛かった。





続いて、プライマリーコイルを巻いた。まだセロテープで仮止め中で、このあと、ホットボンドで固定する予定。

IV1.6㎜単芯電線を6回巻き。

そして、プライマリーコイルとセカンダリーコイルを組み立て、トップに蓋をつけ、そのセンターにΦ3×12ミリのネジをつけてみた。

前段MOS-FET部の製作

IRF520が届いたので、もう一度トランジスタによるバッファの後ろにあるトランス部分から作り直しとなった。

最適な波形になるまで、 コイルの巻き数を何度も調整した。

左の画像、中央より少し右下で放熱器の上に乗っかっているのがIRF520。

MOS-FET IRF520をドライブするために、はじめはゲート電圧ができるだけ大きいほうが良いだろうと考えていた。そのほうが、スレッショルドレベルを気にしなくても良いからだ。それで、できるだけ2次側のコイル巻き数を増やして、ゲート入力最大電圧である±20Vに近づけた。

しかし、電圧を大きくするためにコイル2次側巻き数を増やした分だけ、電流が比例して小さくなりゲートドライブ能力が低下してしまった。その不足を補うためにトランジスタ側の負荷が増えてしまったし、それでも実際にMOS-FETのゲートが開ききらなくなってしまった。開ききらなくなって、どうなったかというと、前回の2sK2399の時と同じように、2周期に1回ON・OFFするという状況だった。

それで、電圧を下げて、その分電流容量を増やすようにした。すると、状況は改善された。やはり、ゲートドライブは電流をいかに多く流してやって、Cissを充電するかにかかっているようだ。

それから、ドレインと+電源の間にあるトロイダルコイルのインダクタンスが大きすぎたようで、ドレイン電流がほとんど流れず、ドレイン側の電圧の波形周期が大きくなってしまっていた。このトロイダルコイルは、電源側へ高周波が漏れないようにする役割があるのだが、逆に言えば、回路に供給される電力の周波数上限も決まってしまうことになる。このため、4MHzではドレイン電流が流れない状況にあった。

したがって、トロイダルコイルの巻き数を少しずつ減らし、共振周波数を上げ、4MHzに近づけた。

結局、はじめに設計した値とはまったく違うパラメータになってしまった。ここら辺は、回路設計の難しさというのだろうか。

試行錯誤の結果、問題のなさそうな出力が得られるようになってきた。左の画像がそれである。
画像の上がゲート電圧。5V/DIV。
真ん中がドレイン電流で、500mA/DIV。ピーク値が400mA弱。
下がドレイン電圧で、10V/DIV。ピーク値が約56V。

設計ではドレイン電流が最大1Aとしたが、それよりも電流が小さい。でもこれで計算すると、大体3~4W弱ぐらいの出力があると思われる。コイル部分でドレイン電圧が大きくなっているからで、エネルギー総量は、設計とあまり隔たりはないように思う。

終段のMOS-FETはIRFP460で、Cissが4200pFある。このゲートを4MHzでドライブするには、2.42Wの電力が必要になる。よって、3W以上であれば、十分駆動できるはずである。MOS-FETとの間に入るトロイダル・コイルで電圧を下げて、電流をあげてやれば良いはず。

さて、次は最終段の設計・製作とテスラコイル本体の製作だ。