2010年12月23日木曜日

考察



IRF520の出力は、設計では5W、実際には2Wぐらい。

終段のIRFP460は、Cissが4200pFある。これをドライブするには、どれぐらいの出力が必要だろうか?


という式がトロ活に書いてあるので、計算してみた。
Vccは12V、Vsatは、多分MOS-FETだとRdsによる電圧降下分だとおもわれるので、ここでは仮に0.04Vとする。

Rlは、Cissによるリアクタンスとなるので、次の式から、

f=4MHzだから、Xc=9.47[Ω] となる。
よって、Po=7.14[W]という数字が出てくる。

となると、今の出力では、IRFP460を十分にドライブできていないと言える。

2010年12月19日日曜日

なかなか難しいE級アンプ

最終段を組み上げて、いろいろと調整してみたものの、なかなか思うように行かない。

画像の上、大きく振幅しているのがIRFP460のゲート電圧で、5V/div。
下の波形がドレイン電圧波形で、50V/div。
MOS-FETがうまくOFFできず、2回に一度OFFしていることがドレイン電圧波形から見て取れる。

ちょっとどうしたら良いのかわからなくなって来たので、LTSpiceで解析をしてみようかと考えている。ただ、LTSpiceには、トロイダルコアが登録されておらず、これをつくらないと駄目みたい。

2010年12月11日土曜日

コイルを巻く

テスラコイル本体の製作に取り掛かった。

今回は、内径40ミリのVP管を15センチに切ったものをセカンダリーコイルの芯にした。外形は48ミリだった。

プライマリーは50ミリのVP管用のキャップを使うことにした。外形約65ミリ。

配線は、0.26ミリのラッピング用ETFE電線。ジュンフロン線ともいうらしい。AWG30、色は白。

2ミリの透明アクリル板を丸く削って、コイルのトップに乗せる蓋を作った。センターに3ミリのネジをつけれるように穴をあけた。

底にもアルミ板で作った蓋を作り、塩ビパイプとキャップをネジで固定できるようにした。


塩ビパイプにジュンフロン線を巻きつけるときに、線が緩んだりしないように、両面テープを使った。

前回テスラコイルを巻いたときも、この両面テープ「ナイスタック」を使った。厚みも比較的薄く、紙ベース。綺麗に巻くには必需品だと思う。

コイラーと呼ばれる、テスラコイルを作る人たちは、仕上げに高周波ニスを塗るようだけど、こいつはジュンフロン線だから塗らない。

今回のセカンダリコイルの巻き数は210回の予定。物が小さくて巻き数が少ないので手巻きにした。それから、コイルの巻く方向も、今回は少し考えがあって、左巻きとした。

左画像は、予定した210回+α巻き上げたところ。

のんびり巻いたので1時間ほど掛かった。





続いて、プライマリーコイルを巻いた。まだセロテープで仮止め中で、このあと、ホットボンドで固定する予定。

IV1.6㎜単芯電線を6回巻き。

そして、プライマリーコイルとセカンダリーコイルを組み立て、トップに蓋をつけ、そのセンターにΦ3×12ミリのネジをつけてみた。

前段MOS-FET部の製作

IRF520が届いたので、もう一度トランジスタによるバッファの後ろにあるトランス部分から作り直しとなった。

最適な波形になるまで、 コイルの巻き数を何度も調整した。

左の画像、中央より少し右下で放熱器の上に乗っかっているのがIRF520。

MOS-FET IRF520をドライブするために、はじめはゲート電圧ができるだけ大きいほうが良いだろうと考えていた。そのほうが、スレッショルドレベルを気にしなくても良いからだ。それで、できるだけ2次側のコイル巻き数を増やして、ゲート入力最大電圧である±20Vに近づけた。

しかし、電圧を大きくするためにコイル2次側巻き数を増やした分だけ、電流が比例して小さくなりゲートドライブ能力が低下してしまった。その不足を補うためにトランジスタ側の負荷が増えてしまったし、それでも実際にMOS-FETのゲートが開ききらなくなってしまった。開ききらなくなって、どうなったかというと、前回の2sK2399の時と同じように、2周期に1回ON・OFFするという状況だった。

それで、電圧を下げて、その分電流容量を増やすようにした。すると、状況は改善された。やはり、ゲートドライブは電流をいかに多く流してやって、Cissを充電するかにかかっているようだ。

それから、ドレインと+電源の間にあるトロイダルコイルのインダクタンスが大きすぎたようで、ドレイン電流がほとんど流れず、ドレイン側の電圧の波形周期が大きくなってしまっていた。このトロイダルコイルは、電源側へ高周波が漏れないようにする役割があるのだが、逆に言えば、回路に供給される電力の周波数上限も決まってしまうことになる。このため、4MHzではドレイン電流が流れない状況にあった。

したがって、トロイダルコイルの巻き数を少しずつ減らし、共振周波数を上げ、4MHzに近づけた。

結局、はじめに設計した値とはまったく違うパラメータになってしまった。ここら辺は、回路設計の難しさというのだろうか。

試行錯誤の結果、問題のなさそうな出力が得られるようになってきた。左の画像がそれである。
画像の上がゲート電圧。5V/DIV。
真ん中がドレイン電流で、500mA/DIV。ピーク値が400mA弱。
下がドレイン電圧で、10V/DIV。ピーク値が約56V。

設計ではドレイン電流が最大1Aとしたが、それよりも電流が小さい。でもこれで計算すると、大体3~4W弱ぐらいの出力があると思われる。コイル部分でドレイン電圧が大きくなっているからで、エネルギー総量は、設計とあまり隔たりはないように思う。

終段のMOS-FETはIRFP460で、Cissが4200pFある。このゲートを4MHzでドライブするには、2.42Wの電力が必要になる。よって、3W以上であれば、十分駆動できるはずである。MOS-FETとの間に入るトロイダル・コイルで電圧を下げて、電流をあげてやれば良いはず。

さて、次は最終段の設計・製作とテスラコイル本体の製作だ。

2010年11月29日月曜日

HF-SSTC~前段MOS-FETの選択ミス


前段のMOS-FET増幅部を作ってみたが、MOS-FETの選択でみごとに失敗してしまった。

先日買った東芝製の2SK2399で、回路を設計して確認したところ、MOS-FETが2周期に1回の割合でON/OFFを行っていた。

なぜ、こうなるのか分からなくてコイルの巻き数を変更してみたり、コンデンサを増やしたり減らしたりと、パラメータを変えてみたのだが、ほとんど変化が見られなかった。

おかしいなぁと思ってあれこれ調べていたら、このMOS-FETのターンオフ時間が、なんと195nsだったのだ。

4MHzの周期が250nsなので、完全にOFFとなる前に次のONに入ってしまう。

手本としている回路で使われているMOS-FET(IRF520)は、ターンオフ時間が32nsととても短いことが分かった。

E級動作させるためには、こういう要素も重要なポイントなんだということをひとつ勉強させてもらった。

左の画像、上がゲート~GND間電圧 5V/DIV、真ん中がドレイン電流 500mA/DIV、下がドレイン~GND間電圧 50V/DIV。

下のドレイン電圧が1つおきに出ているので、実質2MHzで動かしているのと同じ状態。


実験中の回路図。

トロ活を読み進めて、MOS-FETの出力側の設計が少し理解できるようになってきたように思う。

MOS-FETのすぐ後ろに電源側に入れたコイルとMOS-FETの出力容量Cossとで共振回路を構成し、その次にコンデンサと空芯コイルでLマッチ(ローパス)を構成している。そして、カップリングコンデンサとトランスコイルでLマッチ(ハイパス)。

共振回路の入力側をインピーダンスR=∞とし、ハイパスの出力側をR=5Ω。
出力側のインピーダンスは、出力を10WとしてP=(Vcc-Vsat)/2Rから求めた値。パワーアンプはこのような設計で良いらしい。

共振回路の共振周波数f=4MHz、Q=5とした。Coss=190pFから、損失抵抗R=5900Ω、RFC=8.33uHを算出。
ローパス回路は設計周波数を4MHz、Q=1としてLとCを算出。
ハイパスはL=5.5uH、Q=1で計算した結果、f=144kHzになっている。ここはDC成分を通さないことが目的なので、これで良しとした。

最後尾のトランスにはダミー負荷として、コンデンサ4200pFをつけた。これは、MOS-FET(IRFP460)のゲート容量Ciss と同じ値。

ちなみに、このIRFP460のターンオフ時間は、平均85ns、最大でも130nsなので問題なさそう。


最後にIRF520を購入することにした。

2010年11月28日日曜日

FETプローブについて調べてみた

HF-SSTCを作っていて、回路に影響を与えないプローブの必要性が出てきているので、アクティブプローブについて調べてみた。調べると言っても、市販品を買うつもりはなく、やはり自作する方向性である。

なかなか見つからないもので、国内では、わずかに2例を発見しただけ。視野を海外に広げれば、もっと出てきたのだけれど、評価などがよくわからないため敬遠。



①FRMS 用ハイインピーダンスFETプローブ

2SK125を使ったすごく簡単なプローブがここで紹介されていた。もともとはCQ誌2003年3月号に掲載されていた回路らしい。

この回路で問題になるのが、2SK125の入手だ。すでにディスコンなので入手が難しくなってきている。
これについては、TTT/hiroこと加藤さんのブログに詳しく解説されている。

現時点で入手したい場合は、サトー電気(1個167円税込)か、若松通商(1個157円税込)になると思う。
ちょっと高価かな。
あるいは、代替品のフェアチャイルド製J310なら、RSコンポーネンツから5個で240円+送料+消費税で入手可能。


②FETプローブでRFスペ・アナの測定範囲を拡大

2つ目のものは、EDN Japanの記事。こちらはOPA656というオペアンプを使ったもの。記事の内容を読んだだけだが、かなり高性能らしく、市販品と変わらないのではないかなと思った。


これらは、スペアナ用プローブとしても使えるようなので、機会があればぜひ作ってみたい。

HF-SSTC製作中

前回まで、CPLDを使って48MHzを4MHzに落とす発信器を作ろうとしていたけれど、手持ちのMAX2が調子が悪く、書込みができても動作してくれない。仕方なく、別な方法をとることにした。

手持ちに4MHzのクリスタルと74HC04APがあったので、これで発信器を作った。とても簡単に安定したものができた。

CPLDを使うのは、完成後でも良かったのだから、もっと早く気がつくべきだった。ついでに色々できるように作っておこうと考えたのがよくなかった。



波形は正弦波ではなく、矩形波に近いが、0Vから5Vまでしっかりと振幅しているので、MOS-FETを駆動するにはこちらのほうが都合がよい。

4MHzの発信器はこれでOKとして、次はバッファと1段目のMOS-FETアンプ部の製作。




バッファ部は、バイポーラトランジスタのコンプリメンタリーである2sc2120と2SA950Aでプッシュプル構成。このセットで約1Wまで出力可能。

MOS-FETは、手持ちのものを色々検討し、2SK2232を選定。定格が60V25A、Cissが970pFだから、少し負荷が大きいかな。計算すると、ゲート駆動エネルギーが69.8nJ、4MHzで動かすと0.559Wとなる。バッファの能力は超えていないので十分ドライブできそう。
ただ、お手本となる回路に使われているチップはIRF520で、Cissが460pFだからさらに軽いものを使っているようだ。

それで、秋葉原に近いものが無いか探したら、鈴商さんに2SK2399というのを見つけた。Vdssが100Vで、Idが5A、Cissが500pF。IRF520に比べると、ドレイン電流が10Aに対して5Aなので、少し貧弱かもしれないが、エンハンスメントモードというVthが0.8~2Vなので扱いやすそうだ。とりあえず実験用に数個買った。

バッファと1段目のMOS-FETの間にトロイダルコイルが入っている。通常は、ゲート抵抗をつないでMOS-FETを駆動するのだが、どういうことだろう?ということで実験してみた。

MOS-FETはつけずに、変わりにコンデンサを負荷として試してみる。

いろいろな巻き数で試した結果、フェライトコアFT-23の#61に、10:12でうまく同調するものができた。






画像の上がバッファの入力電圧で、下が負荷としてつけたコンデンサの電圧波形。







試しにコンデンサの容量を半分にしてみたら、やはり波形が乱れてしまった。この結果から、MOS-FET(のCiss)が変わったら、その都度調整が必要だということが分かる。

実際のMOS-FETをつけて、まずは、トロイダルコイルなしに直接駆動するようにしてみた。

はじめは、短時間だから大丈夫かなと放熱器なしだった。しかし、あっという間に熱を持ち始めてブレッドボードが溶け出したので、あわてて電源を落として放熱器をつけた。

MOS-FETの負荷として、本来なら2段目のMOS-FETがつくところに、コンデンサをつけた。


トロイダルコイルなしにしてみて分かったことは、容易に高調波で発信してしまうということだった。

画像の上が、ゲートの入力電圧。
真ん中が、ドレイン電流で500mA/DIV。
下がドレイン電圧で、10V/DIV。

約20MHzぐらいでリンギングしている。

ちなみに、ドレイン電流を測りたくて、トロイダルコイルでカレントトランスを作った。

FT-37の#43にAWG32で51回巻き。これに51オームの抵抗をつなぐと1A=1Vとなる。




ここまで作業を進めてきて、まるで無線機を作っているようなものだと思った。
それと同時に、オシロスコープのプローブをあてると、波形がいろいろと変化してしまって、正しい観測ができなくなるという問題が顕現化してきた。なんとかしたい。

2010年11月20日土曜日

自作CNCフライスの初切削

Xステージのレベルを出して、大雑把ながら、0.1㎜程度の範囲に収めた。

そのほか、ネジをもう一度増し締めなど行い、エンドミルを取り付けて切削に挑戦してみた。

厚みが2ミリのアクリル板に「905」という数字を0.5ミリの深さで彫ってみた。切削時の移動速度はF50。

スピンドルの回転数は1万回転強に設定。

はじめ、Z軸の高さ調節が良く分からなくて、動かしたとたんに、深い穴を彫り始めたのであわてて停止をかけた。

何度やっても目標よりも大きく下に動いてしまうので、ステップ実行にして、高さを手で調整しながらの初切削となってしまった。

出来上がったものの大きさを定規で測ったら、縦75ミリ×横96ミリだった。おや、製図は、縦50ミリ×横66ミリだったはず・・・1.5倍の大きさだ。

どうやら、ステッピングモーターのステップ数を間違えているようだった。

ステップモータ駆動基板の説明書に書いてある数値をそのまま鵜呑みにしていたのがまずかった。

これが原因でZ軸が1.5倍動きすぎて深い穴をあけていたんだということも分かった。

なにはともあれ、構想からちょうど1年かかって、やっとCNCフライスが動きました。

めでたしめでたし。

2010年11月15日月曜日

EMAモーターをつくることを考えてみた

もともとフリエネ装置を作るということが目的ではじめた研究だったのだが、基礎的な技術の習得や必要な機材をそろえることからはじめたので、かなり脱線していた。

そして、テスラコイルを作りだしてから、もう3年になる。そろそろ、軌道修正して、COP100%以上となる超高効率な装置を作る必要がある。

ずっと以前から抱いているテスラコイルを改造したもののイメージもさることながら、もう少し早く出来上がりそうなもので、結果を出すことが必要。いつまでも、プログラマー兼SEで働きながら、研究を続けるというわけには行かない。

そこで、数あるフリエネ装置のなかから、EMAモーターに着目してみた。

回転し続けるEMAモーター

テスラコイルで作ろうとしている最終型のものから比べると、扱うエネルギーレベルが低目で、既存のモーター技術の延長にあるものだから、早く結果を出すにはちょうど良いだろうと。

いろいろ調べていくと、このEMAモーターを作った「エドウィン・V・グレイ」さんは、最終的にチューブが特徴的な静止型のものを作っているようだったが、こちらの回路は良く分からない点が多くて、再現するのが難しそうに思えた。よって、ここは原点に戻るほうが手間なようでも早道だと。だから改めてEMAモーターに焦点をあててみた。

モーターの構造がちょっと変わっているように思えたが、基本回路というものがあって、それをよくよく見ると、コンデンサーと(モーターの)コイル、それとスパークギャップからなるもので、テスラコイルと同じであることが分かってきた。

私の個人的な見解だと、このスパークギャップに火花が飛ぶと、そのときに空間からエネルギーが流入してくるものだと考えている。そして、スパークさせるには、高い電圧にする必要がある。だから、EMAモーターは1000Vの高圧で動作するものと思われる。
ある本には、コイルに発生する逆起電力がポイントなんだと書かれていたが、私はそれよりもスパークギャップの方が効率が良いと思っている。

グレイさんは、なぜモーターにしたんだろうか。それは、スパークギャップをタイミングよく動作させるためではないか。モーターにつけておけば、回転するので、ギャップの間隔は周期的に決まってくる。それに大きなエネルギーで回転させたら、相当大きなトルクが得られるだろうから、発電機をつければよいとでも考えたのかもしれない。

ところで、このEMAモーターには、一つ特徴的なものとして、安全装置というものがある。コイルとコンデンサーにどんどんエネルギーが溜まっていくと、爆発などする恐れがあるので、放電用のギャップが別に存在する。しかし、この放電がポイントで、エネルギーを捨てるのではなく、回収するようにできていることがとても重要だと思う。

スパークギャップは通常、電圧が低いと電流が流れる回路が断ち切られた状態にある。しかし、電位が上がってくると、空気の絶縁が破壊されて、電流が流れる。これは回路のスイッチが入った状態と同じである。
だから、エネルギーが充満して、許容量を超えたらオーバーフローする。オーバーフローしたときが回収するタイミング。あふれ出たエネルギーを集めて、扱いやすい低電圧に変換すれば、いろんなものにつかえるようになる。

スイスのリンデン村のMLコンバーターも、ライデン瓶に集めた静電気を変換して一般家庭の電源と同じものにしているのであるから、要素技術としては同じだと思う。

しかし、この低圧への変換はどうやっているのだろうか?ここがすごく疑問。
この問題が解決すれば、実際の装置を組んでみようと思う。

CNCで文字を書いてみる

CNCで切削する前にペンをつけて文字を書いてみることにした。
Mach3の使い方もまだ分かっていないのに、いきなりエンドミルをつけて切削しようとしても無理だろうから。それで、やってみたら、案の定、色々と問題が出てきた。

まず、データを作る必要があるのだが、これはJWWや鍋CADといったフリーのCADソフトが使えた。

次にCAMソフト、すなわちGコードを生成プログラムが必要であるのだが、これがどれも高価なものが多かったり、無償のものも制約が多い。その中でもフリーのNCVCというものが合ったので使ってみることにした。

まず、使い慣れた鍋CADで文字を書いてDXF形式でデータを保存してみたが、駄目だった。鍋CADの有償版でないと、文字を作成できなかった。コメントやラベルではCADデータにはなっていなかった。
仕方なく、直線で文字を書いた。

この次に、NCVCを立ち上げて、DXF形式のデータを読み込ませてみたら、バグがあるのかエラーで落ちる。仕方なく、JWWを立ち上げてDXFを読み込ませて、JWC形式で保存。これをNCVCで読み込ませるという回避方法をとった。

NCVCでGコードを生成すると、綺麗な3D画像が表示されるようになる。

この状態で、拡張子ncdのファイルが作成される。

今度はMach3を立ち上げて、ncdファイルをGコードファイルとして読み込ませる。

さて、ここからが大変だった。

久しぶりに、CNCの電源を入れて動かしてみたのだが、ウンともスンとも言わない。変だなぁーとかなりの間悩んだあげく、I/Fボードの電源をつなぐ場所を間違えていたことに気がついた。正しい位置に電源をつないだら、問題なく動作。

次に、読み込ませたGコードを実行する。するとCNCが動き出す。しかし、原点位置が分からず適当に中心にしていたら、ステッピングモーターが回りすぎて端にぶつかってしまう。あわててストップボタンを押すこと数回。これでようやく、どこに原点を良いのかを突き止める。

次に、どうも描いている文字がおかしい。反転している。
これは、軸の移動方向が逆転していた。さんざんMach3を調べて、ようやく、Config⇒Homing/Limitから入りReverseにチェックを入れることで修正。

するとその直後から、動作がものすごく遅くなる。F1~F3ぐらいで動いている。何をやってみても駄目で速度の変更ができない。そのうち、切削形状が3Dで表示されていたものが、ねずみ色の背景だけになってしまった。
しばらく呆然としながら、WindowsXPをリブート。すると動きが元に戻っていた。

これでようやくペンで画像が書けるようになった。
いざ書かせてみると、X軸テーブルの水平が出ていないようで、右端ではペンが宙を浮いているが、左端ではペン先がつぶれそうになっている。

う~ん、なかなか色々問題があるものだ。
でも、切削までもう一息。

ALTERAのQuartusⅡでByteBlasterⅡが認識されない

QuartusⅡのバージョンを10.0にあげたところ、ByteBlasterⅡが認識されなくなってしまった。
FAQに、ドライバーをコマンドラインからインストールする方法が書いてあったので実行したけれど、症状は変わらなかった。

MAX2に書込みができないと困るので、ヴァージョンを以前使っていた9.1に下げたら、問題なく認識された。

以上、備忘録的に残しておく。

2010年11月14日日曜日

スピンドルを改造した

昨日、旋盤で作成したカップリングとスピンドル軸をつなぐためのジョイントパーツ
にねじ切りを行った。そして、イモネジで仮組みしてみた。

カップリング側のΦ4㎜の真ちゅう製の軸は、軸径が細いので1点止めにしたのだが、この軸の部分が微妙に傾いてしまった。これはどうしようもない。


CNCのZ軸ステージを取り外して、スピンドルとモーターの組み立てる。
この状態で、モーターの電源を入れて、回転させてみる。

先ほどの軸の傾きは、カップリングが吸収してくれていた。このカップリングは、市販のものだけあって、良い仕事をしてくれている。

これとは別の部分であるステッピングモーターのカップリングは、頑張って自作した訳だが、出来上がりのことを考えると、これにしておけば良かったかも、と思った。

モーターの取り付けはL字のアルミで、ゴム板を間に挟んで振動を吸収しようと試みた。けれど、あまり効果が無い様子。

回転数を上げると、やはり、どうしても振動が大きくなる。
でも、前作はプーリーでスピンドルの回転数が1/2になっていたのが、今回はモーター直結なので、回転数は十分稼げるから、モーターの騒音や振動を少なくするため少し控えめで回すこともできそうである。

左の画像はCNCにセッティングが完了したところ。

見た目もすっきりした感じで、回転計センサーもきちんと固定されていて安心感がある。

実は、今回こうした改造を行った理由のひとつに、スピンドルの回転方向にあった。以前のマウントだと、エンドミルの刃に対して逆回転になっていて、切削できなくなっていたのだ。これは明らかに設計ミス。だからどうしても改造する必要があったのだ。

中断していた試運転を再開して、早く初切削に挑戦してみたい。

旋盤作業


カップリングとスピンドルシャフトを接続するためのパーツを旋盤で作ることができた。

ようやくというか、まだというか、50~100/1000ミリ程度までしか精度が出せないので、多少ガタツキがある。

一日かかってこれだけが精一杯。もっと手早く作業ができるようにならないと。

このあと、このパーツに固定用のイモネジをつける必要がある。

真鍮棒を削るのに1760RPMぐらいで旋盤を回したが、すごい振動だった。きちんとした台に据え付けないと駄目かもしれない。

2010年11月9日火曜日

卓上旋盤で初切削

スピンドル改造のため、いよいよ旋盤をつかうことになった。

そのまえに、あちこち錆びがでていたので、オイルストーンでできる範囲の錆び落としをおこなった。

旋盤に四つ爪チャックを取り付けようとしたら、取り付け用ナットが不足していた。急いで近くのホームセンターまで行き、M6ナット3個を購入した。

チャックを取り付けて、Φ30アルミ丸棒を取り付けて、ダイアルゲージでセンターを出す。

旋盤のバイブルといわれる「ミニ旋盤を使いこなす」を読みながらの作業。今回の場合、旋盤の回転数は8000÷30×3=800回転がちょうど良いようである。

電源を入れて旋盤を回転させる。チャックのバランスが悪いのか、少し振動が大きいような感じがする。
恐る恐る、バイトをアルミ材に近づける。スルスルスルと滑らかに、細い渦巻状の糸のような切子が出てきた。

面取りなどで、慣れてきたら、次は穴ぐり作業。先にドリルで穴をあけておく必要があった。ドリルで穴をあけて、穴ぐり用バイトで慎重に掘っていく。

初めてにしては調子がいいなと思っていたのはつかの間、穴が少し大きくなりすぎて、スピンドルをあわせたらグラグラしている。これじゃあ駄目だ。

ほんの少しの微妙な加減にコツがいるようである。

HF-SSTCの製作


今年の4月に発見したHigh Frequency Solid State Tesla Coilをそろそろ作ってみようと思った。

CNC用スピンドルの改造で材料の発注をかけたが、すべて揃うまでに1週間ぐらいかかるだろうから、その空いた時間で少しずつ作ろうということ。こういう、八方美人的な作業は、生まれが双子座の私にはよくあること。

4月に発見した後、半年ぐらいの間に、似たものが2つほどWEB上で新たに見つかった。でも日本人はまだ作っていないのか、ネット公開していないだけなのか、見つからなかった。

今回は、前回のSSTC製作における失敗も生かし、できるだけ基本スペックは同じものを作るようにしようと思う。よって、周波数4MHzで動作するもので、出力段はパワーMOS-FET1石とする。要するに基本的に設計図をそのまま踏襲する。
まったく同じパーツを入手するのは困難なので、それらについては似たようなもので流用することになる。高周波の回路、特にコイルは手巻きだから、ほとんどカットアンドトライになると思われる。これは、仕方ないことというか、ノウハウなのかもしれない。

設計図を簡単に書き上げて、さっそく、信号発信源は、パルスジェネレーターをつかい、手持ち部品で増幅器の1段目を作ってみた。

ここで以前購入した「トロイダル・コア活用百科」が役に立つ。

手製のコイルは、トロイダルコア FB23#61に1:1、10回巻き。

信号を入れるときに気がついたが、この自作SGは最高周波数5MHzなのだが、クロックの関係上、4MHzが出力できなかった。仕方なく5MHzで動かす。画像のLCDには周期が2usecと表示されているが、これは表示のバグで実際には0.2usecである。

オシロスコープ波形の上がSGの出力で、下がコイルの負荷として、MOS-FETに見立てた、3300pFのセラミックコンデンサの波形。

途中にトランジスタのプッシュプルがあるが、ここでは利得が1。かつ、コイルも1:1の巻き数比だから、SGの出力である3.3Vがそのまま出ている。そして正弦波としてコンデンサのところに出ているので、まずます、うまく同調しているようだ。ただし、このまま3.3Vの振幅だと実際のMOS-FETを動作させることができるのか心配。少なくともこの2倍の6Vぐらいまで出ていないと、MOS-FETが完全にOn/Offできないように思う。
なお、SGの出力は、本来矩形波なのだが、負荷とのマッチングが取れていないせいか、立ち上がりが非常に悪く見える。

ここで、いくつかの問題が出てきたので、次回は、これらを解決する必要がある。
  1. 4MHzの発信器が必要。
  2. MOS-FETが安定動作するように、5V以上の振幅まで増幅させる。

スピンドル部の改造計画

ちょっと更新が遅れ気味なので、一気にアップすることにした。

CNCのスピンドルの剛性を高めようと考えた末、大幅な仕様変更することにした。

今までモーターとスピンドル軸とはプーリーとゴムベルトを介していたが、この方法をやめて、モーターとスピンドル軸を直接つなぐ方法に変更することにした。

軸のセンターをあわせるのはかなり難しいので、ちょっとした挑戦でもある。

まず、軸心をしっかりと出しておかないと、振動を抑えることができない。こういう場合は、取り付ける台の部分などはすべて旋盤を使って作ると芯が綺麗に揃う。しかし、スピンドルの保持ケースはすでにアルミパイプで出来上がっているので、これも作り直すとなると少々面倒。だから、スピンドルケースは基本的にそのまま使うことにした。その代わりに調整時点で、レーザー光を使って軸心を出す方法により正確さを確保することにした。

それから、スピンドルの軸径Φ20㎜とモーターの軸径Φ3.17㎜をつなぐカップリングが必要になってくる。しかし市販のカップリングでは、そのような径の違いは扱っていない。
それで、自作することを考えた。
アルミに切り込みを入れたカップリングが有名だが、これを作るためにはアルミ棒に切り込みを入れ必要がある。しかし機材がないため断念した。他のタイプのカップリングもいろいろと加工が複雑そうに見えた。
ここは、ネットでいろいろ調べてみたが、結局は、Monotaroで比較的安価なものが見つかったので軸径Φ3㎜の市販品を使うことにした。
その代わり、20㎜メス~3㎜オスの異型ジョイントを自作することにした。ここでいよいよ先日購入した旋盤の出番である。

以上で設計を終え、材料を手配した。

2010年10月31日日曜日

DCモーターのテストとその後

DCモーターをPWMで動かして、無負荷時とスピンドルを負荷にしたときをそれぞれテストしてみた。

PWMは、30%、55%、80%の3パターンにした。
ここでPWM100%にしなかったのは、DCモーターの定格が7.2Vで、電源電圧が12V。だから計算するとPWM量が80%程度がほぼ定格だろうということだから。


そして、無負荷のときは、各パーツの温度上昇もそれほど大きくなく、上昇も30分以内で安定するような感じだった。

モーターの回転数は、PWM30%で7,000RPM前後、55%で15,000RPM、80%で21,000RPMだった。このマブチモーターはデータシートから23,000RPMまで回るようなので、PWM80%では多少余裕があるが上限近くまで回転しているようなので、先にPWM80%までと決めたのは、正解だったと思われる。
画像は、PWM80%時のゲート電圧とソース電流の様子。









しかし、この後の負荷テスト、プーリーのゴムベルトをつないで同様なテストを行ったのだが、いろいろと問題が出てきた。

まず、PWM30%でテストした際は、フライホイールダイオードの温度上昇がすごくて、10分も経たないうちに80℃まで到達してしまった。

予想外に電流が流れているようだったので、ダイオードを3個から計8個に増やした。これで電流容量は、15Aから40Aになる。






ダイオードを増やしてテスト再開。今度は60℃手前で安定した。

次に、負荷を増やすため、PWM55%でテストを実施。モーターの回転数が10,000RPMを超えたあたりから、騒音と振動が酷くなってきた。これは、機械的な要素の問題で、おそらくプーリーの芯が出ていないためと、モーターの台の剛性が足りないのだろうと思った。
とりあえず、30分間運転してみて、電気系統の温度上昇などのデータを取った。今度はMOS-FET保護のために入れたショットキーバリアダイオードの温度上昇が目立ってきた。しかし、全体的には60℃内に収まっているようなので、もう少し様子を見てみることにした。

スピンドル部分も温度上昇が見られ、PWM55%、30分後に42℃まで上昇していた。振動の影響だろうか。いったんスピンドルもオーバーホールしたほうがよさそうだ。

画像は、PWM55%時のゲート電圧とソース電流。
MOS-FETがON時の電流が8Aで、無負荷時と比べ約2倍になっている。





さて、あまりにも振動がすごいので、このあとのPWM80%のテストは実施しなかった。

もう少し、振動をすくなくするため、モーター台の剛性UPなどを検討することにした。
ベルト駆動だと、プーリーから作り直しになりそう。それなら、モーターをスピンドルに直結したほうが良さそうだと思う。

2010年10月17日日曜日

タコメーター2


タコメータを作り直した。
ソフトウェアは基本的にそのままで、ハードウェアを若干変更。

前作と違う点は、液晶ディスプレイを2行表示から1行表示に変更した点とセンサーを一新した点。

表示したい内容は回転数の9文字のみだったので、秋月電子で販売しているDMC16117A というものにした。1個300円なので安い。

この液晶は、これまでつかっていたSC1602BSとコンパチブル。違うところは、SC1602は2行×16文字なのだけど、それが半分の1行×16文字になっているところ。
はじめ、単純にSC1602の2行目が無くなったのかと思っていたら、そうではなくて、1行目の8文字分と2行目の8文字分をあわせて1行表示にしたような構成だった。だから、この部分だけソフトを修正しなくてはならなかった。

今回の目玉である、センサー部分の作り直し。

センサーとなるフォトインタラプタは、液晶と同様に秋月で購入。TPR-105Fというもの。1個150円。

以前は壊れたマウスから取り出したものを使って作った。が、このタイプはLEDとフォトトランジスタが向かい合わせになっていて、その間の空間に板などを入れて光を遮るものだった。その隙間が5mm程度しかなかったので、これに合う円板つくり、それを非測定物の回転体につける必要があり、手間がかかる仕様だった。

今回購入したものは、反射型。これだと、非測定物の回転体空きスペースに黒と白のマーカーをつけて、そのそばにセンサーを配置するだけですむため、計測が簡単にできるという大きなメリットがある。

また、前回は、アンプ部分を周波数カウンターのアンプを流用して2SK941と2SC1815で作ったのだが、もう少しコンパクトにしたくて、LMC662CNという型番のオペアンプを採用した。

このオペアンプは、CMOS単電源タイプで、出力がレールトゥーレール。だから、電源電圧と同じ0~5Vで出力信号が得られる。当初、LM358で試したのだが、出力が0~3.6Vしかとれなかったため、PICの入力には適さないため、結局LMC662CNにしたのだった。

修正した回路図は以下のとおり。

さて、これでタコメーターも準備できたので、スピンドルモーターの試運転に入ることにする。

2010年10月11日月曜日

DCモーターPWMドライバをCNCに取り付けた

CNC本体にスピンドルモーター用のドライバ基板を取り付けてみた。

背面の空きがなかったので、右側面に取り付けた。スピンドルON/OFFスイッチと回転数ボリュームは基板とは独立させて、使い勝手がよくなるようにした。

基板についているLCDは、オプション扱い。だから、普段は外しておく。


さて、次はタコメーター2号機の作成だ。

秋月のデジタル温度計キット

スピンドルの試運転を行う前に、温度を測定するために購入したキットをつくることにした。

熱電対を使ったものなので、-200℃~+1250℃が測定できる。しかし、こんな広範囲の温度を測定することって、あるのだろうかと、いまさらながら考えてしまった。

使いもしないのに貪りだよなぁ~この心の働きは。。。と思いつつ、作る。

簡易調整で、室温に合わせる。

一応、完成。

ケースは加工していないし、基板も電池も固定していないので、動かすと大変なことになるが、まあ、良いかな。
若干ケースが大きめなので、小さいものに交換しようか、どうしようかと悩んでしまったので。

必要性が出てきたら、そのときに加工することにして。

DCモーターPWMドライバの作り直し(続)

基板が2つに分かれていたのを一枚にまとめた。このほうが、CNCに載せてつかうにも都合が良いから。

軽くテストをしてみたところ、PWMの波形が出力できていないことが分かった。10%のパルスが、OFFした後もずっと尾を引いていて、MOS-FETがOFFしない状態だった。追跡すると、ゲート入力側のフォトカプラのLowが3.6~4.0Vも出ているためだった。おかしいなと思って、フォトカプラを予備として買ってあったTPL250に交換してみた。すると、Lowは0Vになった。どうやら、フォトカプラが故障していたようだった。

フォトカプラ交換後は、PWM出力が綺麗になった。PWM30%ぐらいまでで、短時間スピンドルを回してみた。PWM15~18%ぐらいで回転し始める。MOS-FETはほとんど熱くならない。しかし、フライホイールダイオードとMOS-FET保護用のショットキーバリヤダイオードがかなり熱を持っている。

電流は、MOS-FETがONした瞬間は36~38Aのピークが見られるが、あとは、6~7Aぐらい。しかもデューティー比30%だから、平均2A程度だ。(左画像の上がPICが出力したPWM信号、下がMOS-FETのソース側に入れた0.05オームの抵抗で計測した電流波形)

MOS-FETの保護用に入れたダイオードが熱くなるのも、ちょっと困ったものだが、何れ、試運転を行ったときに詳しく状況を調べることにする。

まあ、念のため、ファーストリカバリーダイオードとショットキーバリヤダイオードを1個ずつ追加して、許容量を多少UPしておくことにした。

電流波形を良く見ると、ON直後は波を打っている。浮遊インダクタンス成分が作り出していると思うのだが、気になるので、スナバを入れてみた。周波数は4MHzだった。しかし、スナバはあまり効果が出なかった。
電源につけた1000uF電解コンデンサの効果を見ようと、その電圧波形を見ると、ここにも、先ほどの4MHzの波が出ていた。どうやら、この電源の揺れが全体に波及しているようだ。これは、電源ラインにコイルを入れるなどの対策もあるようなのだが、また別の機会に改善することにしようと思う。

これで、完璧とはいえないけれど、DCモーターの試運転ができそうなドライバができた。最新の回路図をUP。

スピンドルの試運転に入る予定だが、そのまえに、温度計とタコメーターを用意しなけば。
前回作ったタコメータは、このPWMに化けてしまったので。

2010年10月4日月曜日

PWMドライバの作り直し

簡単に作ったDCモーター用のPWMモータードライバだったので、もう少しきちんと作ってみた。

MOS-FETのラッチアップなどをできる限り防止するために、ゲートにフェライトコアをつけたり、ドレイン側にショットキーバリアダイオードをつけたり、電源に1000uFの電解コンデンサを追加したりしてみた。
そのほかにも電流容量にあわせて配線やパーツをより大きなものに変えてみたり。
本当は、生基板からパターンをおこしたほうが、グランドをたくさんつくれるので良いのだが、ここは少し手を抜いた。

また、これにあわせてアセンブラの修正も行ったが、まだバグがあるようなので、動くようになるまでにはもう少し時間が掛かりそうだ。

2010年9月26日日曜日

MOSFETの発熱で

テスト中にまた煙が出てしまった。
よく見ると、テスタープローブの先端が解けてしまったり、半田付けした配線が外れてしまったり。

PWMの調整をしていて、スピンドルのベルトをかけて、負荷が掛かった状態にしてみたら、こんなことになってしまった。

負荷が掛かっていると、起動に時間が掛かりすぎてしまって、電源が簡単にトリップしてしまう。だからPWMのデューティー比を低い状態のままにする必要があった。

デューティー比を2.5%程度の低い状態で起動させてみたところ、トリップしないで徐々に速度が上がっていきだした。そして、突然、回転数が上がったり下がったりのバウンドを繰り返しながら、無負荷時よりも少し遅いぐらいで安定したかと思ったら、煙がでてきた。

MOSFETに接触していたプローブ先端のプラスチック部分が、MOSFET本体よりも早く解けてしまったようだ。

オシロスコープの波形は記録できていないけれど、そのときの波形は相当に横に伸びてしまってとても2%前後のデューディー比で抑えている状態とはいえないのこぎり状の形になっていた。MOSFETがOFFできないで電流が流れ続けているように見えた。
MOSFETのラッチアップという現象が原因かもしれない。

DCモーターをPWMで起動する

9月に入ってから少しずつセンサレスブラシレスDCモーター用ドライブ基板を修正していたけれど、起動モードからセンサレスモードへの以降するシーケンスで行き詰ってしまった。

それで、仕方なくマブチモーターをPWMをつかって起動電流を下げて動かす方法を検討していた。

先日製作したタコメーター回路を見ると、スペース的にもPICの出力ポートも余裕があったので、これを改造してみることにした。

PIC16F648AのポートRB3がPWMの出力、この先にIGBT用フォトカプラTLP351をつけて、MOSFETのIRFW450Aを駆動させる。このMOSFETは、100V28Aのものだから、スイッチング電源の12V14Aよりも十分余裕がある。

それから、モーターのOn/Offスイッチと、簡易A/Dコンバータを作って回転数を可変できるようにした。このPIC16F648AにはA/Dコンバータがないのだが、外付けのコンデンサの放電時間をタイマーで計測するものをつけた。

A/Dコンバータの参考URL:簡易A/D変換の制御法

PICのプログラムはMPASMアセンブラ。CPUのクロックは20MHz。PWM周期は20kHzとした。

はじめ、PWM量は、モーターの起動電流が40A程度で、一方の電源容量が14Aだから、25%以下に絞れば良いと思い、モーターON直後は10%に設定し、徐々にボリュームで設定した目標値までスライドさせる設計とした。

しかし、10%でも電源が過電流でトリップしてしまう。どうやら、PWMの10%のON時間中でさえ40Aを超えているようで、それに電源が敏感に反応するようだ。

設定を見直して、2.5%からスタートするように変更。すると、うまく起動できた。回転音が結構大きい。
その状況を動画でアップした。



モーターOn/Offスイッチの反応がすごく悪いため、3~5秒間押し続けないと駄目。これは、タコメーターのレシプロカル式計測に時間が掛かっているため。ここは何らかの改善が必要だ。ただし、それなりの回転数で回っているものを計測していれば、計測周期は短くなるのでOffの時は反応が良くなるはず。

これで完成かと思ったら、そううまくは行かなかった。というのは、しばらくモーターをOffのままにして放置していたら、モーターが勝手に回転し始めたのだった。あわてて電源を落として、もしかしてとMOSFETを触ってみたらかなり熱くなっている。MOSFETの寄生トランジスタが働いたように思われる。長時間の運転ができるように、さらに改善しなければならない。

しかし、これが出来上がればCNCのスピンドルをまわせるので、初切削できるぞ。
このあと、ゆっくりとブラシレスモーターに切り替えれば良い。