2010年12月11日土曜日

前段MOS-FET部の製作

IRF520が届いたので、もう一度トランジスタによるバッファの後ろにあるトランス部分から作り直しとなった。

最適な波形になるまで、 コイルの巻き数を何度も調整した。

左の画像、中央より少し右下で放熱器の上に乗っかっているのがIRF520。

MOS-FET IRF520をドライブするために、はじめはゲート電圧ができるだけ大きいほうが良いだろうと考えていた。そのほうが、スレッショルドレベルを気にしなくても良いからだ。それで、できるだけ2次側のコイル巻き数を増やして、ゲート入力最大電圧である±20Vに近づけた。

しかし、電圧を大きくするためにコイル2次側巻き数を増やした分だけ、電流が比例して小さくなりゲートドライブ能力が低下してしまった。その不足を補うためにトランジスタ側の負荷が増えてしまったし、それでも実際にMOS-FETのゲートが開ききらなくなってしまった。開ききらなくなって、どうなったかというと、前回の2sK2399の時と同じように、2周期に1回ON・OFFするという状況だった。

それで、電圧を下げて、その分電流容量を増やすようにした。すると、状況は改善された。やはり、ゲートドライブは電流をいかに多く流してやって、Cissを充電するかにかかっているようだ。

それから、ドレインと+電源の間にあるトロイダルコイルのインダクタンスが大きすぎたようで、ドレイン電流がほとんど流れず、ドレイン側の電圧の波形周期が大きくなってしまっていた。このトロイダルコイルは、電源側へ高周波が漏れないようにする役割があるのだが、逆に言えば、回路に供給される電力の周波数上限も決まってしまうことになる。このため、4MHzではドレイン電流が流れない状況にあった。

したがって、トロイダルコイルの巻き数を少しずつ減らし、共振周波数を上げ、4MHzに近づけた。

結局、はじめに設計した値とはまったく違うパラメータになってしまった。ここら辺は、回路設計の難しさというのだろうか。

試行錯誤の結果、問題のなさそうな出力が得られるようになってきた。左の画像がそれである。
画像の上がゲート電圧。5V/DIV。
真ん中がドレイン電流で、500mA/DIV。ピーク値が400mA弱。
下がドレイン電圧で、10V/DIV。ピーク値が約56V。

設計ではドレイン電流が最大1Aとしたが、それよりも電流が小さい。でもこれで計算すると、大体3~4W弱ぐらいの出力があると思われる。コイル部分でドレイン電圧が大きくなっているからで、エネルギー総量は、設計とあまり隔たりはないように思う。

終段のMOS-FETはIRFP460で、Cissが4200pFある。このゲートを4MHzでドライブするには、2.42Wの電力が必要になる。よって、3W以上であれば、十分駆動できるはずである。MOS-FETとの間に入るトロイダル・コイルで電圧を下げて、電流をあげてやれば良いはず。

さて、次は最終段の設計・製作とテスラコイル本体の製作だ。

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