2021年7月20日火曜日

高圧バリコン完成

完成したバリコンの静電容量を手持ちの自作LCメーターで測定した。容量が小さいため数値がふらついて読みにくいかったけれど、どちらもほぼ同じ、最小13pF~最大134pFだった。

高圧用なので、接触不良はあまり気にせずにつくった。高圧だと少しぐらい浮いていても導通してしまうだろうとの考えがあった。けれど、こういう測定の時には困りものだ。

最低がゼロにならないのは、アクリル板絶縁にしたせいなのか、測定誤差なのかはっきりとしない。どちらもありそうに思う。


当初、容量計算をしたときは、アルミ薄板の裏と表の両方が電荷を蓄積するものだと考えていた。

半円部分の面積は片面だけで2904㎟、電極板の距離が2.2㎜、アクリルの比誘電率が2.5として、片方のバリコンだけで292pFになるものだと予想した。


しかし、実際には半分にもならなかった。

どうにもおかしいと思い、ちゃんとした製品のバリコン(1kV,150pF)を調べてみた。

すると、精密につくられたものでも、電極の両面で計算した値とあわないことが分かった。参考までに片面分の面積で計算すると95pFぐらいになる。それが実際には150pF出るので、片面で計算したときの1.5倍ぐらいの容量が実現できるようである。

このバリコンは空気絶縁であるとか、素材なども全く違うので参考程度にしかならないが、バリコンとはそういうものだと分かった。


それで、自分なりに考えてみたのだが、電極版上の電荷は必ずしも均等ではなく、わずかな隙間の違いで電荷のムラや偏りが生じているのだろうと思う。精密であればムラの程度が低いだろうが全く均一にすることは不可能だろう。

であれば、バリコンの容量計算は、電極の片面の面積で計算しておけば良さそうだ。


というわけで、今回作った自作高圧バリコンの容量計算は、半分だと146pF程度なので、実測値が134pFであれば、まあまあの出来かなと思う。


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