2021年7月9日金曜日

高電圧バリコンの設計

 高電圧用の可変容量コンデンサが2つ必要だが、なかなか入手できない。

昔、ヤフオクで1kV, 150pFのエアバリコンを入手したことがある。けれど、そうそう出てくるものでもないし、今回は耐電圧が少なくとも10kV以上ほしいので、そうなるとまず見つからない。

となると自作しかない。ネットで事例を調べてみたが、海外でいくつかある程度で情報が少ない。


エアバリコンで10kV以上だと、電極の隙間は最低でも3㎜~5㎜必要になる。ある程度の容量を確保するためには大きくなってしまう。

そこで、今回は大型ポリバリコンみたいな感じになるが、アクリル板で絶縁してみることにした。アクリルだと絶縁強度が空気の5倍以上、比誘電率は2.4~4.5あるのでコンパクトになる。


設計図を作成した。

作るものの大きさの目安としては、以前作ったライデン瓶(Φ100㎜×H80㎜、t3㎜アクリルパイプ製)のアルミ箔面積と同程度の電極面積としてみた。

厚み2㎜のアクリル板に厚み0.1㎜のアルミ薄板を張り付ける構造。2㎜のアクリル板であれば30kV程度まで使えそうだ。

バリコン自体の大きさを100㎜角にして、アルミが半円型となる可動部分は5枚、それを挟み込む長方形のアルミ固定部分が6枚の構成とした。バリコンがたわまないように両端のアクリル板は厚み3㎜にした。

電極には0.1㎜の厚みのアルミ薄板とした。アルミ箔だとこすれたときに破れる恐れがあるためだ。100㎜角の四隅は絶縁距離7㎜とることにしたので、円板はΦ86㎜。長方形部分は86㎜×43㎜。

稼働部分と固定部分のクリアランスを0.1㎜とするために、厚み0.2㎜のポリプロピレンシートを挟む。PPシートは在庫があったのでそれを使った。

軸はΦ6㎜の真鍮棒。

回転する半円のアルミ板はこの軸と接触させて、軸から電極の片方を取り出す。もう片方の電極は、四隅の止めボルトのうち、長方形アルミ板と接触する部分があるので、そのボルトから取り出す。

軸に取り付けるノブやカラーは3Dプリンターで出力し、CNCでアクリルのカットを行う予定。


部品数が多くなりそう。


ちなみに、これがライデン瓶



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