2010年4月8日木曜日

モーター基板の回路見直し

安直に、他人の作った回路を模倣して、モーター基板をつくってみたものの、モータはうまく回ってくれないし、修正しようにも回路が良く理解できていないため、どこをどうするのが良いか検討がつかない。

仕方ないが、もう一度基礎から固めなおすことにして、図書館でトランジスタの本を借りてきて読んだ。それで分からなかった点が少し理解できた。

次にMOS-FET本の基本的な回路を参考にしてゲートドライブ回路を組んでみてテストした。
フォトカプラなしの5V回路。これはlemonさんのアドヴァイスを参考にした。

前回、フォトカプラをつけてゲートドライブ回路の確認をしたときに、MOS-FETがおかしな動きをしていた。その原因は、MOS-FETのゲート-ソース間の電圧が規定の4ボルトよりも低いために、MOS-FETが完全にONできず、中途半端な状態になっていたためだった。だから、今回はその点を特に注意した。リーク抵抗といって、ゲートとソースの間に1M~数十Kの抵抗をつける回路もあるようだが、この電圧がきちんと出ていればいらないようだ。

また、テスト中に何度か出力がおかしくなる場合があった。原因は電源配線にあったようで、できるだけ配線を短くすることで、このおかしな挙動も起こらなくなった。配線の中に含まれるインダクタンス成分などが影響するぐらいにMOS-FETはデリケートな半導体のようである。

参考のために前回作った回路をみていたら、なんと、MOS-FETのソースとドレインが逆になっていた。それに、P-MOSの動作が良く分かっていなかったために、ゲートドライブ部分の初段エミッタ接地回路がまちがっていた。これじゃあ、動かないはずだ。自分が犯したミスとはいえ、知らないということは恐ろしいものだと思った。

ということで、自分の間違いを一つづつ発見、確認しながら、作業を進める。

今度はMOS-FETがきちんとON/OFF動作していることをオシロスコープで確認。入力パルスは100kHz。

ハイサイド、ローサイドともに回路抵抗などをいろいろ変えてみて、最適なポイントを探し出す。

こうやって、作った新しい回路図がこれ。

初段はエミッタ接地、信号源とのレベル変換をかねている。信号はここで反転する。ローサイド、ハイサイドのそれぞれにプルアップ、プルダウン抵抗をつけて、電源投入直後のMOS-FET誤動作を回避させる。ベース抵抗と並列にスピードアップコンデンサをつけた。この効果は大きい。

次にプッシュプルバッファで出力インピーダンスを下げる。2SC2120と2SA950のコンプリメンタリで構成、Ic=800mAまでなので、設計では500mAとする。

最終段にパワーMOS-FET。ハイサイドは2SJ477で、-60V25A。ローサイドは、2SK2232で60V25A。コンプリメンタリではないが、似たような仕様のものを選択。ゲートの電流制限抵抗は、J477は5オーム、K2232は10オームとした。これは、CissがJ477が2000pF、K2232が1000pFと、2倍の開きがあるため、駆動電流の計算からこのようになった。
Iar = Ciss * Vg / Tr = 500mA
Tr = 2.2 * Ciss * Rg = 48nsec
自分で回路を確認しながら進めているので、安心感がある。時間を惜しまずこうするべきなんだな。

ブレッドボードから今度はユニバーサル基板に組んでみる。
すべて作らず、まずは1相分を組んでみて、動作確認。配線はできるだけ短くし、インピーダンスの影響を少なくする。

つぎは、ハイサイドMOS-FETのドレインに30kオームの負荷抵抗をつけてGND。ローサイドMOS-FETのドレインに30kオームの負荷抵抗をつけてVCCへ。両方のMOS-FETが同時にONしないことを確認。

OK。
そして、2相目、3相目を同じ手順で組み立てていく。

これでようやくドライバ部分が完成。

この次はPICコントローラー部分だ。

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