2021年12月25日土曜日

テスラバッテリースイッチの改良後の試験

 改良が終わったので、まずは、60Wのランプを負荷にして動かしてみた。

この画像のように、わずかにランプのフィラメントがオレンジ色になっている。

負荷が重たすぎて電圧が1.04Vに低下している。


適当な重さの負荷がないのも困るので、6Wのランプを追加。

さらに、バッテリー側の電流波形も見てみたいので、配線の途中に挿入できるものを作った。
電流検出用に10mΩ,1Wの抵抗を使った。1A流れると、抵抗の両端に10mVの電圧が発生する。

これらを追加して実験再開。
6ワットのランプだと、負荷としてちょうど良い。出力電圧は8.98Vで0.42A。3.8W程度なので、全力で点灯しているわけではなさそうだ。

この時の切り替え周波数は10kHz。電子スイッチの場合、周波数を上げた方が良いということが何となくこれまでの実験で分かったこと。

わずかに1000uFという小さなバケツに入った電荷。これをできるだけ早く切り替えて放出と充電をする。早く回してあげてエネルギーを少しでも多く送り出し出力を大きくする。そういう理由から10kHzを選んでいる。

30分ほど運転し続けてみたが、出力はほとんど横ばい状態。予想では少しずつ上がっていくものと思ったが、そういう結果にはならなかった。


電流計測用の抵抗は、改造時に追加した集合コンデンサのそばに取り付けた。このコンデンサに流入してくる電流波形がわかる。

オシロスコープで44.8mVp-pあるので、ヒゲパルスも含めると4.48A流れている。しかし、平坦な部分だけをみると5mVで上下しているから0.5A程度。2つのコンデンサが交互に充電と放電を行っているので、2つのコンデンサ分をあわせて直流の0.5A程度が出力として流れて出ている計算となり、負荷側につけた電流計の0.42Aに近い。

こうして波形を見ると、確かに切り替えたタイミングでパルスが生じているが、思ったほどたくさん出ているわけでもなく、大きいわけでもないようだ。

周波数を50Hzから20000Hzまで変化させたときに、出力がどのように変化するかも確認してみた。
50Hzの時は、出力が5.88V, 0.35Aに低下してしまっている。

電流波形は、長く大きなヒゲパルスが下に伸びて出ているのがわかる。46.8mVp-pなので4.68A。しかし、切り替え周期が長いため、頻度が少ないから出力アップには寄与しない。

この後、100Hz、500Hz、1000Hz, 5000Hz, 10000Hz, 20000Hzと変える。
周波数が上がっていくにつれ、出力の電圧・電流は少しずつ上がっていく。
一方で、切り替える際に生じるヒゲパルスはどんどん小さくなっていく。
これは、20kHz時の電流波形。39.2mVp-pだから、3.92A。電流のピークが小さくなっている。

そして、なぜか10kHのあたりがピークとなり、20kHzで少し下がった。
単純に周波数を上げれば良いというものでもないらしい。
周波数が上がっていくにしたがって、切り替え時に生じるヒゲパルスが小さくなっていく傾向があるのが原因なのかもしれない。

切り替え時に生じるパルスは、線路の持つインダクタンス成分や様々な回路パーツが持つ容量性の成分などが作り出しているのだと思う。それらが、高い周波数で駆動されたときに十分なエネルギーの蓄積ができないために出てくるパルスが小さくなり、低い周波数で駆動されているときは、十分蓄えることのできる時間があり、よって大きなパルスが生じるということだろう。それぞれ持っている時定数が異なるので結果がわかりにくくなる。





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