2017年3月8日水曜日

電流とは、電子の移動ではなく、導線の表面を移動するエネルギーのことである


なかなか良い記事を見つけたのでメモ。

松田卓也先生の「教科書の教えてくれない物理 第1回 電流のエネルギーは電線の外を伝わる」

電子の移動する速度は、直径1ミリの電線1Aの電流を流した場合に毎秒0.1mmだとか。
亀やカタツムリの歩みのように遅いのです。


電子を動かす電磁場のエネルギー 
電流が流れると、電線の周囲の空間には「電場」(電界)と「磁場」(磁界)※が発生します。教科書にも出ていることですが、これが電気の本質で、発生するのが電線の中ではないところがポイントです。磁場はともかく、電場については電線の中で発生していると誤解している人もたくさんいます(電線の中の電場は、電線の抵抗が小さい場合、非常に小さいのです)。この電場と磁場をかけあわせたもの、「電場×磁場」(ただし×はベクトル積)は「ポインティング・ベクトル」と呼ばれ、じつはこれが電流のエネルギー、厳密にいえば電磁場のエネルギーを運ぶ正体なのです。ポインティングベクトルは、くわしく計算すると、電線の外側に平行していることがわかっています。

電子がエネルギーに動かされているのですね。普通は電子が動くから電流が流れると教わるので発想が真逆です。そして、エネルギーが動いているので電流は光の速度で伝わると。

こういうこと、高校や大学でも教えてくれなかったと思う。アマチュア無線の講義でも出てこなかった。
教師の側からすれば、概念で教える方が簡単だからということでしょうけど、その手抜きをした結果が、世の中に事実と間違ったことを普及してしまい多くの問題を生じさせているんだと思う。
何事もまずは疑ってみなくてはなりません。

追記:
高周波の場合、表皮効果といって、導体の表面しか電流が流れないということは大学で習っていました。でも、高周波でのお話で終わっていたので、直流や低周波の電流は導体の中を均等に流れているものだと信じていたのです。このちょっとした違いのような出来事でも場合によっては深刻なミスにつながりかねませんから。

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