2011年10月2日日曜日

1段目の調整

HF-SSTCの1段目アンプの調整を、また思い出してやっている。

最近Eクラスアンプの良い本を入手したのがきっかけ。「パワーMOSFETの高速スイッチング応用」

たくさんの事例が書いてあり、参考になる。E級アンプは、各パーツの計算式が決まっているらしく、設計は単に計算式に当てはめていくだけみたい。でも、実際に組みあがったものは、細かな調整が必要で、そのあたりも解説してくれている。理論的な部分よりも実際につくることに重点が置かれているようだ。

この本をベースにして、1段目アンプの各パーツを見直してみた。

大きく違うのは、MOSFETの後ろにつくLC直列共振回路の部分。計算してみると、コイルの損失が大きいことがわかった。回路を修正する前にどうしてコイルから発熱しているのか分からなかったのが、少し理解できた。さっそく、大きなトロイダルに交換した。画像の赤茶色のトロイダルがそれ。

出力トランスも、作り直した。これは、コイルのインダクタンスが小さすぎたようだったので。画像右上の緑色の線が巻きついているのがそれ。

あとは、コンデンサをディップマイカまたはフィルムコンデンサに交換した。共振回路は損失が大きくて発熱を伴うため。はじめセラミックコンデンサを使っていたのだが、温度上昇とともに、周波数が安定せずにオシロの波形が生き物のように暴れまわってしまった。これには驚いた。そういう経験から、高価だが熱安定度の高いマイカにした。

基板の写真、見た目がすごくアンバランス(笑)。 次を作るときに直そうと思う。

これらの修正で、細かな点については問題がなくなってきたのだが、しかし、高調波が大きくて波形がとげとげしい感じはとれない。基板のレイアウトが問題なのだろうか?

 画像の上が、MOSFETのドレイン電圧。20V/DIV。下の波形がゲート電圧。5V/DIV。
  次の画像は、上がドレイン電圧、下がドレイン電流。1.4A/Div。自作CTの比率が1V=1.4A程度になっているため。電圧の読みが2.1Vだから、約3A p-p 程度流れている。
これは、上が出力波形で20V/Div。1:100の高圧プローブを使用しているため。下の波形はゲート電圧。

出力波形がきれいじゃないのが悲しいが、このあとのパワー段には影響ないだろうと思われるので、いったんこのままに。今の自分のスキルでは、これ以上良くする方法が分からない。

最後に、回路図を添付することにする。余白に設計値も記載した。


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