2010年3月21日日曜日

MOS-FETの実験とコントローラ改造

さて、先日作ったブラシレスDCモーターコントローラーを動かすために、ブレッドボード上でフォトカプラの実験をいろいろと行った。

フォトカプラの出力をトランジスタでつくったプッシュプルのバッファを通してMOS-FETにつなぐ。

まずはじめにP-MOSをつないだところ、4Vまでは、きちんと出力がでているのを確認。しかし、供給する電圧を0Vからどんどん昇圧していくと、5Vを超えたあたりから電流が増え続け5V以上に上がらない。

画像には3本の輝線が出ているが、一番上がオシロ3Chで、これはフォトカプラの入力信号。一番下がオシロ2Chで、MOS-FETのゲート電圧。真ん中がオシロ1Chで、負荷抵抗の1/10電流値。
そして、MOS-FETの電源電圧が0Vで、負荷抵抗の電流が0Aの時の様子である。

MOS-FETの電源電圧は、菊水の実験用電源につないであるので、電圧は15Vまで可変可能。ここから少しずつ電圧を上げていく。


この画像は、電圧を4Vにしたときのもの。真ん中の輝線をみると0.6A程度まで電流が流れている。
ゲート電圧にあわせて電流が反転した状態で流れているのが確認できる。






この画像は電源電圧を5Vにしたときのもの。電流は0.8Aぐらい流れている。
MOS-FETのスイッチング動作がうまくできておらず、ほとんど通電状態のままである。

このまま電圧を上げようとすると、電流がどんどん増え続けるが実験用電源装置の電圧は5Vのままになる。


この次にN-MOSについて、同様な実験を行った。
しかしN-MOSはさらに状態がひどくて、MOS-FETがずっとON状態で電流が流れっぱなしになってしまう。

何が原因で、MOS-FETがおかしな動きをしているのか良く分からない。
スイッチングができていないということは、ゲートドライブがうまく機能していないのかもしれない。
ということで、少し大きめのトランジスタでゲートドライブをつくってみたり、ゲートOFF時の電流をグランドにバイパスためのトランジスタをつけてみたりしたが、状況は変わらず。


とりあえず、もう少し電流が流れても大丈夫なように容量の大きな電源と負荷抵抗を用意することにした。

秋葉に行き、デスクトップPC用の230W電源の中古をジャンク屋で500円で購入した。電源ケース書いてあるスペックは12Vが11A。
これともうひとつ、ノートPC用のACアダプターを別のジャンク屋で315円で購入。こちらのスペックは12V4.5Aと書かれている。
負荷として、10W50オームのセメント抵抗を2個購入した。

それから、先日購入できなかったIGBT用バッファつきのフォトカプラTLP351だが、結局購入した。
実験程度であればトランジスタをいくつかつないでみることも可能だけれど、IC1個で済むとなると使い勝手が良い。しかも、IGBT用だから、カプラの応答速度も速いはずだ。

・・・

このあと、フォトカプラTLP351でMOS-FETを動かしてみた。
このフォトカプラは、10V~30Vで動くのだが、それを見落としていて、5Vで実験していた。いくらやっても動作しないので、おかしいと思ったら、こういう無智なことをやっていた。
気を取り直し、電圧を12V、MOS-FETの負荷を50オームのセメント抵抗として、実験を再開。
あっさりと動いた。電流は0.24Aだから、ほとんどがセメント抵抗で消費されているようだ。
波形もほとんど遅延なく綺麗にスイッチングしている。良く見ると、MOS-FETのON時とOFF時に波打っているようだ。
試しに簡単にスナバ回路をつけてみたりしたが、効果がよくわからなかったので、次の機会にまわした。

ひとまず、これなら大丈夫そうなので、先日作ったブラシレスDCモーターコントローラーにTLP351を計6個追加する改造を行った。
基板の右よりに白い色でたてに6個ならんでいるのがTLP351だ。








ところで、このコントローラーには回転速度の信号を与える必要がある。信号はプロポなどと同じ仕様で動くようだ。20msec周期でデューティー比5%から10%の範囲でパルスを送る。5%でモーター停止、10%でフルスロットルということらしい。

このパルスをパルスジェネレーターで作ってもいいが、どうせ必要になるのだからと、そのコントローラーも作ることにした。

しかし、なぜMOS-FETがおかしな挙動をしていたのか、いまだ不明なのは気になる。
電圧を12Vにして、ダミー負荷50オームをつけて正常に動いたということは、実験の仕方に問題があったということだろうか?
それに、DCモーターは起動時にはほとんどショート状態になるはずだから、相当に電流が流れるはず。それについて、検討していないのでこの後の実験で問題が発生するのではないかと少し心配。

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