2021年8月16日月曜日

DISRUPTIVE DISCHARGE COILの実験

 組み上げた回路で実験を行った。


結論から述べると、目標の高周波高電圧電源にはならなかった。

周波数は、27.12MHzとは程遠い、40MHz前後になってしまった。電圧はスパークギャップ長5mm程度なので、15kVぐらいと思われる。



特に周波数については、40MHzがコンスタントに出ているならまだしも、断続的に発生するという状態だった。


この要因は駆動用のネオントランス電源にある。電源周波数は商用の50Hzのままであるため、スパークギャップが点火するのは1秒間に100回。アーク放電から生じる一次コイルの振動が起きても、次のアーク放電までの時間が長すぎて、それまでに振動が減衰して消えてしまう。

もっとスパークの間隔が短くならない限り、二次コイル内の振動が成長しない。


周波数が設定した27.12MHzよりも高いのは、コイルの巻き方に要因がある。これは2つの要素が絡み合っている様だ。

一つは、2次コイルの巻き方をテスラコイルの様な形ではなく、普通の電磁石を作るときの様に何層もワイヤーを重ねて作った。この巻き方は、ワイヤー間の浮遊容量を増大させてしまう。この浮遊容量が周波数が27.12MHzよりもずっと低い20MHz程度まで下げてしまっている。このことは「f=1/(2π√(LC))」という式から明らか。

さらに、今回は、無誘導となる方向に2つのコイルを巻いている。このため2個の2次コイルを直列に接続しても、互いのコイル内に生じる波が一つに合体せず分裂してしまったものと思われる。これにより波長が半分になり、周波数が20MHzの2倍である40MHzになったものと推測される。2次コイルのワイヤー長は目標とする波長λの1/2にしてあるので、2つのコイルが直列につながれば、波長はλになるはずである。しかしそうならなかった。λ/2が1波長となってしまった。つまり周波数は2倍に上がったのだ。


いろいろ調べているうちに、このDISRUPTIVE DISCHARGE COILは、ニコラ・テスラが作った初期のコイルであり、ここから2次コイルの形状がコーン型になり、パンケーキ型になり、最終的に一般的に認知されているテスラコイルと呼ばれる長い円筒型に発展したということを知った。

こういう経緯を知り、おそらく彼もDISRUPTIVE DISCHARGE COILには欠点があったことを認識していたのだろうなと思う。




2021年7月31日土曜日

DISRUPTIVE DISCHARGE COILの実験回路を組み立てた


MDF板の上に機材を配置した。

画像左側のターミナルに高圧電源を接続して使う。

電源部は邪魔にならない様、机の下に置いて


電源部のチェックを行った。


スパークギャップは、電源側の7連はネジの隙間を0.3㎜に統一した。ギャップが7つあるので合計2.1㎜。1㎜で3kVだから6.3kV以上の電圧がかかるとスパークする。この7連スパークギャップは過電圧防止装置のようなもの。

一次コイル側の5連スパークギャップは、隙間を0.2㎜に統一した。5つ合わせて1㎜だから3kVを超えるとスパークする。こちらは一次コイルにパルスを与える目的があるため、常にスパークさせる必要がある。

1枚目の画像では一番右側になるが、70㎜ステンレス半球で作ったスパークギャップは5㎜

に設定してみた。

これらスパークギャップは、実験の途中で隙間を調整していく。

 


2021年7月30日金曜日

マグネチック・ループアンテナを作った

 テスラコイルとアンテナの関係を調べていて、マグネチック・ループアンテナ(MLAと略す)というものを見つけた。


以前からコイルの共振周波数を測定する際に、何かいい方法はないかと思いつつ、リード線を使って測定していたのだった。

それでこのMLAを見たときに、使えそうだと目をつけた。


受信専用MLAの説明によると、元々は磁界を測定するプローブとして存在していたものが無線のアンテナに使うと電気的ノイズに強くて広帯域で使えるということが分かったとか。

いくつか種類もある様で、50MHzモノバンドMLAの製作にある様な大小2つのループで構成されているタイプもある。

利用目的が無線ではなく測定用なので、受信専用の簡単なタイプでいいと思い、3D無線クラブのVHF帯対応受信用微小ループアンテナの作り方とBCL中波帯対応受信用マグネチック・ループアンテナの作り方を参考にした。もちろん、マッチング回路はなしにした。


手持ちのBNCコネクタ付き同軸ケーブル3mを利用した。材料はこれだけ。

同軸ケーブルは50Ωのものだから、オシロスコープでもネットワークアナライザでもそのまま利用できるので都合が良い。

ここから直径10cmのVHF帯用分を切り取り、残りを直径80cmの中短波帯用とした。



2021年7月20日火曜日

高圧バリコン完成

完成したバリコンの静電容量を手持ちの自作LCメーターで測定した。容量が小さいため数値がふらついて読みにくいかったけれど、どちらもほぼ同じ、最小13pF~最大134pFだった。

高圧用なので、接触不良はあまり気にせずにつくった。高圧だと少しぐらい浮いていても導通してしまうだろうとの考えがあった。けれど、こういう測定の時には困りものだ。

最低がゼロにならないのは、アクリル板絶縁にしたせいなのか、測定誤差なのかはっきりとしない。どちらもありそうに思う。


当初、容量計算をしたときは、アルミ薄板の裏と表の両方が電荷を蓄積するものだと考えていた。

半円部分の面積は片面だけで2904㎟、電極板の距離が2.2㎜、アクリルの比誘電率が2.5として、片方のバリコンだけで292pFになるものだと予想した。


しかし、実際には半分にもならなかった。

どうにもおかしいと思い、ちゃんとした製品のバリコン(1kV,150pF)を調べてみた。

すると、精密につくられたものでも、電極の両面で計算した値とあわないことが分かった。参考までに片面分の面積で計算すると95pFぐらいになる。それが実際には150pF出るので、片面で計算したときの1.5倍ぐらいの容量が実現できるようである。

このバリコンは空気絶縁であるとか、素材なども全く違うので参考程度にしかならないが、バリコンとはそういうものだと分かった。


それで、自分なりに考えてみたのだが、電極版上の電荷は必ずしも均等ではなく、わずかな隙間の違いで電荷のムラや偏りが生じているのだろうと思う。精密であればムラの程度が低いだろうが全く均一にすることは不可能だろう。

であれば、バリコンの容量計算は、電極の片面の面積で計算しておけば良さそうだ。


というわけで、今回作った自作高圧バリコンの容量計算は、半分だと146pF程度なので、実測値が134pFであれば、まあまあの出来かなと思う。


2021年7月17日土曜日

高圧バリコンの製作その2

 アクリル板はCNCでカットした。基本的な大きさは100㎜×100㎜。円板部分はΦ86㎜。


これに0.1㎜厚のアルミ薄板から電極板を切り出していく。曲線部はハサミでカット、直線部分はカッターナイフでカットする。それらをアクリル板へボンドで貼り付けていく。


半円の可動部分が1台につき5枚、2台合わせて10枚。それに長方形の固定部分が1台につき6枚、2台合わせて12枚ある。

半円部分は、軸の切り込みとの位置関係が大切。5枚が同じ角度になるように注意して貼り付けていく。


しかし、軸の切り込み精度が悪いため、アクリル板の遊びがある。でも多少は仕方がない。空回りしないだけマシというもの。


厚みが0.2㎜のポリプロピレンシートをスペーサーとして挟む。こうすることで可動部分のアルミ薄板がアクリル板と擦れて傷だらけにならずに済む。それにしても数が多いので作るのが大変。

こうしてようやく全パーツが揃った。

失敗したのは、ポリプロピレンシートがボンドでくっつかないことを見逃していたこと。一見張り付いているようだけど、簡単にはがれてしまう。しかし、このまま進めていく。ボルトで押さえれば問題ないだろうから。


2021年7月12日月曜日

高圧バリコンの製作その1

 高圧バリコンの軸から製作していく。


まずは、バリコンの可動部分が空回りしないようにするため、Φ6㎜の真鍮丸棒に切り欠き加工を施して、軸を作る。

アルミのチャンネルに真鍮丸棒をねじ止め固定して
卓上丸鋸盤で隅を削っていく。

削っていると鋸刃がたわんで逃げていく・・・

なかなか細かな精度を出すのは難しい。



2021年7月9日金曜日

高電圧バリコンの設計

 高電圧用の可変容量コンデンサが2つ必要だが、なかなか入手できない。

昔、ヤフオクで1kV, 150pFのエアバリコンを入手したことがある。けれど、そうそう出てくるものでもないし、今回は耐電圧が少なくとも10kV以上ほしいので、そうなるとまず見つからない。

となると自作しかない。ネットで事例を調べてみたが、海外でいくつかある程度で情報が少ない。


エアバリコンで10kV以上だと、電極の隙間は最低でも3㎜~5㎜必要になる。ある程度の容量を確保するためには大きくなってしまう。

そこで、今回は大型ポリバリコンみたいな感じになるが、アクリル板で絶縁してみることにした。アクリルだと絶縁強度が空気の5倍以上、比誘電率は2.4~4.5あるのでコンパクトになる。


設計図を作成した。

作るものの大きさの目安としては、以前作ったライデン瓶(Φ100㎜×H80㎜、t3㎜アクリルパイプ製)のアルミ箔面積と同程度の電極面積としてみた。

厚み2㎜のアクリル板に厚み0.1㎜のアルミ薄板を張り付ける構造。2㎜のアクリル板であれば30kV程度まで使えそうだ。

バリコン自体の大きさを100㎜角にして、アルミが半円型となる可動部分は5枚、それを挟み込む長方形のアルミ固定部分が6枚の構成とした。バリコンがたわまないように両端のアクリル板は厚み3㎜にした。

電極には0.1㎜の厚みのアルミ薄板とした。アルミ箔だとこすれたときに破れる恐れがあるためだ。100㎜角の四隅は絶縁距離7㎜とることにしたので、円板はΦ86㎜。長方形部分は86㎜×43㎜。

稼働部分と固定部分のクリアランスを0.1㎜とするために、厚み0.2㎜のポリプロピレンシートを挟む。PPシートは在庫があったのでそれを使った。

軸はΦ6㎜の真鍮棒。

回転する半円のアルミ板はこの軸と接触させて、軸から電極の片方を取り出す。もう片方の電極は、四隅の止めボルトのうち、長方形アルミ板と接触する部分があるので、そのボルトから取り出す。

軸に取り付けるノブやカラーは3Dプリンターで出力し、CNCでアクリルのカットを行う予定。


部品数が多くなりそう。


ちなみに、これがライデン瓶