組み上げた回路で実験を行った。
結論から述べると、目標の高周波高電圧電源にはならなかった。
周波数は、27.12MHzとは程遠い、40MHz前後になってしまった。電圧はスパークギャップ長5mm程度なので、15kVぐらいと思われる。
特に周波数については、40MHzがコンスタントに出ているならまだしも、断続的に発生するという状態だった。
この要因は駆動用のネオントランス電源にある。電源周波数は商用の50Hzのままであるため、スパークギャップが点火するのは1秒間に100回。アーク放電から生じる一次コイルの振動が起きても、次のアーク放電までの時間が長すぎて、それまでに振動が減衰して消えてしまう。
もっとスパークの間隔が短くならない限り、二次コイル内の振動が成長しない。
周波数が設定した27.12MHzよりも高いのは、コイルの巻き方に要因がある。これは2つの要素が絡み合っている様だ。
一つは、2次コイルの巻き方をテスラコイルの様な形ではなく、普通の電磁石を作るときの様に何層もワイヤーを重ねて作った。この巻き方は、ワイヤー間の浮遊容量を増大させてしまう。この浮遊容量が周波数が27.12MHzよりもずっと低い20MHz程度まで下げてしまっている。このことは「f=1/(2π√(LC))」という式から明らか。
さらに、今回は、無誘導となる方向に2つのコイルを巻いている。このため2個の2次コイルを直列に接続しても、互いのコイル内に生じる波が一つに合体せず分裂してしまったものと思われる。これにより波長が半分になり、周波数が20MHzの2倍である40MHzになったものと推測される。2次コイルのワイヤー長は目標とする波長λの1/2にしてあるので、2つのコイルが直列につながれば、波長はλになるはずである。しかしそうならなかった。λ/2が1波長となってしまった。つまり周波数は2倍に上がったのだ。
いろいろ調べているうちに、このDISRUPTIVE DISCHARGE COILは、ニコラ・テスラが作った初期のコイルであり、ここから2次コイルの形状がコーン型になり、パンケーキ型になり、最終的に一般的に認知されているテスラコイルと呼ばれる長い円筒型に発展したということを知った。
こういう経緯を知り、おそらく彼もDISRUPTIVE DISCHARGE COILには欠点があったことを認識していたのだろうなと思う。
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