それを確認するための基礎実験。
実験装置
ヒートシンクの上にポリイミドテープを貼り付けて絶縁をした上に回路をつくった。
40V9Aまで使えるのだが、上の回路で9Aの上限があるので、今回使用する電圧はせいぜい20Vまで。
出力電圧が20Vまで設定できるが、MOS-FETのON/OFFには12Vで十分だった。
測定1
つくった回路とコイルをつないで、特性を測定。
出力コイルには25Wの電球が負荷としてつながっている。
測定2
次に、コイルに流れた電流の大きさによって、出力コイルに磁束密度の変化が生じるかを測定する。
それで、9Aまで流してみたものの、出力コイルに電圧は確認できなかった。コイルによって作られる磁界(計算上の磁束密度は最大16.5[mT]となる)が弱いようだ。
さて、どうしようか。。。
オシロスコープで電流波形をよくみると、MOS-FETのOFFタイミングで鋭いパルスが出る。
都合の良いことに、ピークは37A以上になることがわかった。(画像の上側、Ch1)
出力コイルにも鋭いパルスが(画像の下側、Ch2)出ている。つまり、瞬間的にマグネットの磁束が動かされているということだ。
制約ばかりの実験装置だが、思わぬところで実験が継続できた。
結果的に、この実験装置では20A以上でマグネットの磁束がカットされた状態になり、出力が出てくることが確認できた。
しかも、電流の波形に似たような形で出力波形が現れること、
このコイルとフェライト磁石の組み合わせだと、45A程度で最大3.6Vまで出力があり、これ以上電流をUPしても、出力は上がらないことが確認できた。45[A]の場合、計算上84[mT]の磁束密度になる。
磁石をネオジウムに交換して同様の実験を行ってみた。
この場合は、45Aでは少し低めの3.0Vの出力となり、62A程度で3.6Vとなり、それ以上UPしない結果となった。62[A]のときは、116[mT]になるはず。
ネオジウムはフェライトよりも磁束密度が高いため、より大きなエネルギーが必要だということが言えそうだ。
結論
磁石の作る磁界を90度横方向からカットするためには、磁石の磁界と同程度の磁界を投入しなければならない。フェライト磁石だと、おおよそ40[mT]必要になる。
そして、この実験でつかったコイルなら、電流を21[A]以上流す必要があるということ。