2010年5月30日日曜日

オリジナルのスピンドル

スピンドル用に購入したアルミパイプを取り出して、径の小さい方を大きいほうに収めようとしたら、入らない。パイプの内径の精度は保障されておらず、肉厚確保のために少し小さめの内径になっているようだった。

ベアリングも試したが中に入らない。

仕方なく、ヤスリがけを決断。


まずは外側になるΦ40パイプの内面を削る。

丸い棒に布ヤスリを巻く。それをパイプに通して丸棒の両側を持って床に押し付けながらパイプを転がす。パイプがすべって回転しないので、下にゴムを敷いた。

なかなか手間のかかる方法だった。このアルミA5052という耐食アルミなのだが、結構硬い。

なんとかベアリングが入る程度になったので、次に内側のΦ32パイプの外面を削る。これは、パイプを万力に固定して、金属用のヤスリで軸方向に少しずつ削り、パイプを回転させて全周をできるだけ均等にしていく。

途中で何度も外パイプと内パイプをあわせてみて、確認。

それで、ようやく手で半分ぐらいまで差し込める程度になったので、CRC555をたっぷりつけて一気に木槌で叩いて外パイプの中に内パイプを入れた。
そして、両端にベアリングをセットして、シャンクに取り付けた。

ようやくスピンドルの完成。

手で回転させると軽く回転する。なかなか良いできばえとなった。

秋月ステッピングモーター

秋月のステッピングモーター(ミネベア製)の軸には、ベルトドライブ用のギア(?)がついている。

カップリングを作って取り付けるためには、このギアを外す必要がある。

このギアを外すための工具は約3000円する。たまにしか使わない工具には、あまりお金をかけたくない。それで、なんとか外してやろうと、100円ショップで色々と部品を買ってきた。

ネジと取付金具で引き抜き工具をまねたものをつくった。

ギアの両端をナットで引っ掛けておいて、モーターの軸のところにネジを入れて、ネジを回転して軸を押しつけ取付金具を上の方向に持ち上げる。。。うまくいくとギアが外れるはず。




中央のネジを回していくと、取付金具が少し曲がり、回転させているネジが動かなくなる。そして、姉妹にはネジ山がつぶれてきた。

どうやらこの方法では外せないことがわかった。ネジが小さくて十分な力が出せないのだ。ネジと取付金具を強力にする必要がある。




しばらく考えて、次に取った方法は、ギアを引っ掛けてステッピングモーターを宙ぶらにしておいて、軸をたたいて外す。

本体とギアの間に収まる9ミリの板の中央に18ミリの穴をあけてギアをその穴から頭を出す。

そして、先ほどの取付金具で軸のところまで両側から挟みこんでギアが抜けないように固定する。

この状態で、ビスなどを軸にあてて、ハンマーでたたく。

ギアが強固についていて、ちょっとたたいただけでは駄目。力を込めてたたく必要があった。





ようやく1個外れた。
外すために叩いてつぶれたネジの数がすごい。







それと、叩いて外した後、反対側を見ると軸が押し出されてしまっている。。。
左の画像の右側がギアを外す前で、右側の軸が飛び出しているのがギアを外した後の状態。外す前は3ミリ程度中に納まっていたが、6ミリぐらい外に出てきた。

かなり手荒な方法だったので、モーターが壊れていないかどうか少し心配。

同様な方法で、残りの2個もギアを外した。
軸軽は6.35ミリだった。

本体に値札シールが張ってあったのをはがしたら、その下に製造元のシールが隠れていた。ミネベアのモーターだった。

次は、カップリングの製作。

POMナット

POMでナットを作ると良いことを知り、POMを販売しているお店を探した。

POMとは、ポリアセタールという名前の工業用プラスチックだ。ネジや歯車などいろんな部品が作られているようである。

東京都内でお店を探したら、秋葉原のラジオガーデンに萩原電材さんというお店がプラスチック素材を販売していると知り、買いに行った。

ガード下の古びたお店は、昭和を連想させてくれる。ここにはたくさんのプラスチック素材があった。しかし、目的のPOM材が見当たらない。お店のおじさんに聞くと、ジュラコンという名前らしい。しかし、そのジュラコンの板は、少し前に売切れてしまったそうだ。それで、どうしようかと考えていたら、ジュラコンならこれはどうですかと出されたものが、写真のもの。形は変だけどCNCのナットにはできそうだ。せっかくだから、6個買った。1つ100円だった。

ちなみに、萩原電材さんは、平日しかやっていないので、買いに行くときは注意が必要だ。

買ってきたPOM材の真ん中に10ミリのネジを切った。
プラスチックなので加工はすごく楽。







CNCのZ軸にあわせてみたところ。ここの部分が取り付け面積が3軸の中でも一番狭いのだが、なんとか収まっている。

あと2つも同様に穴を開けてタップでネジを切って作った。

当初予定していたダブルナットよりもこのPOMナットの方がすごく簡単。

2010年5月24日月曜日

MDF製CNCの製作(2)

残っていたY軸・Z軸の切り出しと穴あけ加工を行った。穴あけは意外と時間が掛かる作業だった。

穴あけをして気がついたのは、ボール盤で空けた穴が斜めになっている
ということだった。電気ドリルを使って手で穴あけをするよりも、ボール盤の方が垂直に穴あけができるだろうと思っていたのだが、どうしたことだろうか。
ボール盤の調整が必要ということだろうか。

加工がすんだものをX軸同様に仮組みしてみた。

どうしても組み立てができない部分があり、ヤスリがけをして大きさを調整した。








送りねじがまだできていないし、モーターもまだついていない。

この後、送りねじとダブルナットや、モーターのカップリングなど細かくて手間のかかるものがまだ残っている。

2010年5月23日日曜日

MDF製CNCの製作(1)

必要な部品などがひととおりそろったので、そろそろCNC本体の製作にとりかかることにした。

厚さ21mmのMDFボードに墨だしをする。鋸の切り代を2mmとった。

900×450の寸法に切られたMDFボード2枚使った。



作業台に固定して切断。








X軸を仮組みしてみたところ。

こうして形になってくると少しうれしさがこみ上げてきたりする。






X軸のステージをのせてみたところ。

残りも早く仕上げてしまおう。

2010年5月10日月曜日

CNCの設計(その2)

今日は、体調がよくなかったので仕事を休ませてもらった。ほとんど一日中寝ていた。あまり寝すぎると背中が痛くなってくる。


さて、CNCの機械設計でまだ未解決の部分を少し考えたり、ネットで調べたりした。

現在残っている問題は、
  1. 長ネジの支持方法
  2. ダブルナットの処理方法
  3. ステッピングモーターとネジの接続方法
の3つ。

1の長ネジの支持については、以下のサイトが参考になった。

MAKE: Japan : CupCake CNCを作る Part6 ケースを組み立てる

とても単純。長ネジにベアリングを入れて、両方からナットで締め付けている。
その状態でベアリングをボードに入れてしまっている。

なるほど、これなら簡単だ。この方法を採用させてもらうことにした。


次に、秋月のステッピングモーターをどうやって長ネジと接続するかだが、これには2つ方法があって、
  1. 軸についているプーリーに合うベルトを購入して、ベルトで駆動する方法
  2. プーリーを外してカップリングなどをつける方法
ベルトのサイズなど調べたところ、以下のサイトに情報があった。

ノンノのDeskCNCの情報交換 ● 秋月のモーターと合うベルト

ベルトが結構高くて、モーターと同じぐらいの値段がする。CNCの設計図を描いたときにベルトは想定していなかったので、この選択肢は却下とした。

CNCの掲示板などを見ていたら、秋月のステッピングモーターは好評なようだ。大抵の場合、プーリーを外してカップリングをつけたりしているようである。

このプーリーを外すには、ギアプーラーなどの工具を使うようだ。しかし、この工具だけで5千円ぐらいする。1回使うだけなのでもったいない。同じような考えで、身近なもので外している方もいらっしゃるようだ。

秋月のモーター

これに見習って、何かしらの治具をつくることにしよう。

プーリーを外したら、次はカップリングだ。カップリングはオリジナルマインドさんで取り扱っているのだが、どれも高価。一つ3千円以上する。これも、なんとか安くしたいところ。

アルミ棒にスリットを入れた

カップリングの製作

という事例を見つけた。これは、それなりの道具が必要なので、私のところでは今はつくれそうにない。

CNCプリント基板作成機の自作に挑戦

さんのページに自作カップリングがあった。0.3ミリ厚のりん青銅板を使っている。この方法ならなんとか作れるかもしれない。
ちなみにこのりん青銅板は、電気部品のばねとしてつかわれる素材だということを知った。


最後に残ったダブルナットの方法だが、2つのナット間にバネを使って与圧を与える方法にしようと考えている。
これは、上記のりん青銅板じゃなくて厚みのあるアルミ板でもいいと思うが、2枚の平行にした板を用意して、それぞれにネジが通る穴を開け、その部分にナットを埋め込む。板の片方の端は数ミリのスペーサーをサンドイッチにして固定し、もう片方はフリーにしておく。そして、フリー側の片方の板にネジを垂直に取り付けて、そのネジの出具合で相手方の板を押しつける。この押し付けにより板がたわんでバネのようになり、ナットとナットの間に与圧が掛かる。

一応、問題の3つは加工の手間は掛かかりそうだけれど、なんとか先が見えてきた感じ。

2010年5月9日日曜日

CNCの設計

この連休中は、CNCの設計図を描いていた。

ようやく鍋CADの使い方も分かってきて、考えたとおりに近い図面になりつつある。どんなものでも練習量しだいで使えるようになるものだなと思った。

この週末は、設計のしすぎ?かな、めずらしく風邪を引いてしまって、この数日ずっと熱が出ている。リンパ節が腫れて節々が痛く体がだるく重い。こんなこと、ここ4~5年ぐらいなかったような気がする。気功やヨーガ、瞑想などずっと続けているから、めったなことで寝込まないし、医者いらずだった。
でも、あまりにも珍しいので、ついこのBlogに書き込んでしまった。何が原因なのか、もうひとつ納得いかない。

この話題はこのぐらいにしてと。。。

懸案だったスピンドルの再設計も行った。
ピロー型ユニットは、それだけで1kg弱あり、CNCのZ軸への負担が大きかった。

そこで、図のように、薄型のベアリング2個をアルミパイプの両端に固定するものにしてみた。見た目はとてもすっきり。パイプ外径が40ミリなので、PROXXONのミニルーター本体とそれほど変わらないぐらいの太さ。アルミパイプだから重量も気にならない。

次に、この寸法でパイプを切り売りしてくれるお店を探した。

秋葉のケース屋に行くと、この手の素材が置いてありそうだと思って行ってみたが、サイズが特殊なため見つからなかった。

インターネット上で「井田商店」というお店を見つけたので、予備も入れて2本分の見積もりを取ってみた。
送料込みで約4千4百円だった。ちょっと高いかな。宅配の着払いで1550円かかるところが気になった。他の選択肢はなさそう。大きさからすると、ゆうぱっくでも送れるだろうに。一方のパイプ本体は、希望の寸法で切断してくれるので、価格的には問題はないと思う。
他にも似たようなお店があったので、同様に見積もりを取ってみたが、まるで「あいみつもり」をとったみたいで、金額は5千円弱だった。このお店は井田商店に発注するのかもしれない。

井田商店さんに頼むことにするかな。

さて、本題のCNCの設計は・・・

XYZの各軸の設計図を作った。
大きさは、ステッピングモーターの部分を除いて、H455×W342×D314となった。
肝心の加工できるエリアは、H68×W178×D108。ただし、これはリニアの端から端まで使った場合なので、実際にはセンサーをつけたりするため、この値よりも多少小さくなる。当初の予定はH50×W150×D100だったので、ほぼ許容できる数字だと思う。

X軸の下部とY軸の背面に電源ユニットやモータードライバなどを収める予定。

まだ決まっていないのが、テーブルを移動させる長ネジの処理方法。ベアリングでネジを保持する部分と、ダブルナット。ここら辺の詳細が決まったら、あとは一気に作り上げるだけだ。