2021年9月28日火曜日

Slayer ExciterⅡ の製作~動作

 10年ほど前にSlayerExciterを作ったことがある。当時はよくわからないまま完成できずに終わったのだが、また作ることになるとは思わなかった。当時のものは捨ててしまったので改めていちから作り直す。2代目なので「Slayer Exciter Ⅱ」と呼ぶことにする。


DISRUPTIVE DISCHARGE COILの目標とする周波数が27.12MHzで、今回作るSlayerExciterはその電源とする。

SlayerExciterの周波数は、1/10の2.712MHzを目標に設定。そして、2.712MHzの波長λは110.543メートル。二次コイルは、その半分の55.271メートル巻くものとする。

塩ビパイプVP20(Φ26)に0.2㎜のワイヤーを巻くとして、約677回巻き、コイルの巻き長さは156.4㎜ぐらいになる計算だ。

これが巻き終えた二次コイル。長さは158㎜。予定よりもほんの少し長くした。小さめのコイルだったので手で巻いた。インダクタンスは1973uH。


これが一次コイル。
Φ1㎜のスズメッキ銅線をΦ40で10回巻き。4㎜ピッチ。インダクタンスは3.034uH。
スズメッキ銅線を使えば、クリップ位置を変えるだけで調整できるため都合が良い。



そして完成した状態がこれ。

回路図
手持ちのトランジスタ2SC3421を使った。


ネットワークアナライザで特性を確認する。
VNAのRF出力をL1コイルにつなぎ、VNAの入力AポートにL2をつなぐ。
すると山が3つ出てきた。
低い方から2.26MHz、5.01MHz、7.50MHz。(L1コイルの10Turn目にクリップをつけた状態)この山の部分がSlayerExciterの共振周波数となる。

目標は2.712MHzだったが、2.26MHzなので少し低下してしまった。コイルを予定より2㎜長く巻いたのもあるだろうが、それよりも、浮遊容量の影響で周波数が下がってしまうのだと思う。


それでは実際に動作させてみる。

二次コイルの電流波形を測定するために、自作CTをつけてオシロスコープで確認する。
電源電圧は12Vとした。

冷陰極管を近づけると点灯するが、かなり弱い気がする。まだ未調整なので仕方ない。

二次コイルの電流波形。大きな波が400ns周期ぐらいなので、2.5MHz付近で動作していることが分かる。細かな波が大きな波の半分にだけ重なっているところから、これが一次コイルに生じた波だと思われる。一次コイルの波が二次コイルに伝搬して大きな波が作られている様子がうかがえる。
この時の電源側の供給電流は、0.15A程度。

このあと、一次コイルのクリップ位置を変えて巻き数を減らしてみたりしていたら、急に周波数が5MHzに上がり、電源の供給電流が2倍になる。周波数が2倍に上がったので電流が2倍になったようにも思う。
しばらくネオンランプを近づけたり、ドライバーで二次コイルの先端に接触させてみたり、手のひらをかざしてみたりする。そのたびに、周波数が上がったり下がったりする。
ネットワークアナライザで調べた2.26MHzの山と5.01MHzの山を行ったり来たりしているのだ。
また別な考え方として、二次コイル内の定在波が、はじめはλ/2で共振していたが、λで共振したり戻ったりしているとも取れそうだ。

とにかく今の状態では動作が不安定なので改善したい。

2021年9月12日日曜日

DISRUPTIVE DISCHARGE COILの電源をSlayerExciterに変更する

 DISRUPTIVE DISCHARGE COILの次なる対策として、電源の周波数を上げてみる。


現在は、ネオントランスを使っていて、周波数は商用電源の50Hzとなっている。

実験中にスパークが起きるタイミングを確認してみたのだが、当然の事ながら電圧の山と谷で発生している。電源の波の一周期に2回だから、10msの間隔で発生している。

スパークパルスの1回で生じた波が長く続き次のスパークパルスまで残っていればコイル内に生じた波がどんどん大きく成長するだろう。しかし、次のスパークパルスが発生するよりもずっと前に減衰して消えてしまう。


このことから、電源を高周波タイプにすれば、パルスが減衰して消えるよりも前に次々とパルスが来る。そしてコイル内の振動波はどんどん成長できるのではないかと考えた。

もしそうであれば、テスラコイルか、あるいはもっと簡単に作れるSlayerExciterでも良いのではないかと思う。


もしかしたら、私の考え違いで、他の何かをすることでコイル内に生じた振動波の減衰が極端に少なくなり、振動が長くつづくのかもしれないが。。。


ちなみにドン・スミスは、電子式のネオントランスを使っている様で、その出力周波数は35kHzだという。

該当する商品を探してみた。しかし、ほとんどが中華製。これは安価だが品質に不安がある。日本のメーカーのものは高価で情報が少ないため保留。
それに本当に35kHzが良いのだろうか?35kHzよりももっと周波数が高い方がスパークの発生周期が短くなるので有利なのではないかとも思った。


だから、まずはSlayerExciterを電源とした実験を行う。

2021年9月10日金曜日

DISRUPTIVE DISCHARGE COILのRFコイル化

 先の実験から普通巻きのコイルでは、色々と支障があることが分かったので、対策を検討してみた。


対策のひとつとして、「ドン・スミスのテスラトランスフォーマー」を参考にコイルを根本的に変えてみることにした。

ラジオや無線機で使われるような、周波数特性の良い巻き方で、スズメッキ銅線を用いたもの。

これだと、巻き線間の浮遊容量が小さくなり、ワイヤー長と共振周波数の関係が分かりやすくなる。
全てのコイルをこの形にしていく。