カパナーツェのフリーエネルギー装置は、コイルを使ったもので、グランドアースを必要とし、得られる出力が大きいのが特徴。ニコラテスラの技術を使っていて、ラジアントエネルギーを取り出しているらしい。
手元にあった適当な材料からコイルを作って簡単な実験をやってみた。
φ65x200塩ビパイプに0.26mmETFE電線を185mm巻きつけたものと、φ80x30塩ビパイプを両サイドに取り付け、1.6mmIVを一方は2回巻き、もう一方は4回巻きしたものを用意した。これらの巻き数などは適当に決めた。
コッククロフト・ウォルフトンから出力される高電圧を電源として、コイルの入力側との間にライデン瓶とスパークギャップを入れる。スパークにより高周波パルスを発生させてそれをコイルに入れるようにした。ギャップ幅は3〜5mmで変化させてみるので、9kV〜15kV程度の入力電圧となる。ライデン瓶はコンデンサー代りでパルスをより強力にするためにつけた。
入力側は、エアコン用のアースを使う。
アースは2つ用意する必要があるとのことなので、コイルの出力側には、水道管に電線を巻きつけたアースを使った。
そして、ファストリカバリーダイオードFR504(400V,5A)と高圧用フィルムコンデンサー(0.1uF,3kV)で半波整流した後に25Wの電球負荷をつけた。
フリーエネルギー装置の負荷は、特性が直線的な抵抗よりも、変化がある電球の方が良いらしい。出力が高周波なので普通の整流用ダイオードよりもファストリカバリーダイオードの方が性能が良い。
この実験(装置)は、根本的に問題があった。
それは高圧電源。これが脆弱で、スパークが一秒に1回程度しか出せない。
おそらく、テスラコイルのように連続したスパークが必要だと思った。
同様の実験を行なっている研究者は、高圧・高周波電源を使うようである。そして周波数を変えれるタイプでコイルの共振点を探るようだ。
今回そうはせずに、スパークギャップを使ったのだけれども、このメリットは、パルスにはたくさんの高周波が含まれているので同調が簡単だと思うことと、未確認だけれどスパークによる電流増加作用を見込めること。
途切れ途切れの出力をオシロスコープでトリガーをかけて観察したが、ピーク電圧17.5V程度だった。
とてもランプを点灯することは出来ない。
次にこの実験をする際には、強力な高圧電源の用意が必要。それと、入出力間のコイル同調などを探ることが課題になると思う。
グランドアースが2点必要というのは、日本の都市部のビルやマンションではなかなか思うようにいかないこともあるだろうから、デメリットかもしれない。もちろん、移動もできない。
それでも、こんな装置で数kWもの出力が得られたならどんなに素晴らしいことだろうか。