2016年4月30日土曜日

本来、円板にはアルミ板を使うべきではないのだが


今回作成したパルスモーターの円板だが、実は厚み2.5ミリのアルミ板を使った。
特に理由はなく、以前別な実験のために作った円板を流用しただけなのだ。

そして、たまたまコイルの結線方向がS極が円板側に出たから、下の画像のようにアルミ板をコイルと磁石の間になる配置になった。
この状態でちゃんとモーターとして回転したので何も考えることはなかった。


モーターが回転した後で、磁石とマグネットの距離を近づけた方がもっと効率が良いだろうと考えて、配線を逆つなぎにして、円板も上下を逆にした。それが下の画像。

ところが、この状態だと、回転しない。

おかしいなと調べているうちにアルミ板が電磁ブレーキとなって回転を阻害していたことに気がついた。

コイルがONになり磁界を生じさせると、回転しているアルミ板にうず電流が生じて回転が停止するように力が働く。「アラゴーの円板」や「渦電流」でググると詳しいことが分かる。

じゃあ、なぜ、はじめの方法だと回ったのだろう?と疑問が生じる。



ネオジウム磁石がつくりだしている磁界がつよくて、アルミ板の磁石と接触している部分は、コイルの磁界ぐらいではびくともしないほど、磁界が安定していて渦電流が生じない、、、
ということなのでしょうね。

それと、磁石周辺部では当然渦電流が生じて、磁石と逆向きの磁界が発生するでしょうが、コイルとの間で吸引力が働くので、タイミングよく円板を加速させる力になっていた。

さらに、周辺部で生じる磁界がネオジウムの磁界と拮抗するため、比較的遠い部分で生じたのだが、後者の場合は、アルミ板と磁石の上下関係が逆転したために、渦電流の作る磁界とネオジウムの磁界が拮抗しなくなり、磁石の近傍で渦電流の磁界を作ったため、吸引力がブレーキに転じてしまった、、、
という結果でしょう。



たまたまうまく回ってくれた訳だが、今回のような構造のモーターにはアルミ板を使わないに越したことはない。





2016年4月17日日曜日

ポテンシャルで考えたほうがいいかも

先の投稿で、パルスモーターの入力電流が0に近くなる現象は、ON直前にコイルに蓄えられたエネルギーが影響していると書いたが、それだけではパルスモーターのオーバーユニティの説明にはならない。


だから、というか、いまは、円板の運動エネルギーがコイルを含む回路に大きな影響を与えていることと、ポテンシャルの蓄積による増大が重要だと考えている。


まだはっきりとしたことは言えないのだが、運動エネルギーが増大したということは、ポテンシャルが増大しているわけで、そのポテンシャルの増大した場の中では、通常よりも増大した結果が生じるのではないかと思うのである。


逆起電力(BEMF)はどうだろうか。

回転初期の運動エネルギーが小さいときにはBEMFはほとんどないに等しい。しかし、運動エネルギーが増大するにしたがってBEMFも大きくなっていく。なぜ?


もう少し実験が必要だな。

パルスモーターの電流が0になっていく現象が少し見えてきた

パルスモーターの電流が0になっていく現象が、おぼろげながらわかってきた。まだ完全に説明できるわけではないが、現時点での頭の整理。


モーター装置を段ボール箱の中で回して実験した。ネオジウム磁石を円板にボンドで貼り付けて、その周りをホットボンドで固めただけのものだから、回転していて磁石が外れはしないかと思ったから。

そんな状況で、円板を手で回転させてから電源を入れる。直流5VからはじめてリードSWの位置を調整しつつ、少しずつ電圧を上昇させていくと回転数も上がっていく。

パワーMOS-FETのソース電流をオシロスコープで観測すると、パルスが見られる。
パワーMOS-FETのソースとグランドの間には、1Ωのセメント抵抗をつけてあるので、この抵抗両端の電圧の読みが電流値となる。


この画像は、電源電圧が8Vのときで、電流はピークで3.8A流れている。
このパルスは矩形波に近い。パルス周期は19.5ms、ON期間は5ms。


この画像は、電源電圧が10Vのときのもので、ピーク電流は5.5A、パルス周期は17msで、ON期間は4msだからDuty比にすると23.5%。だいたい1764rpmで回転している。

特徴的なのは、パルスがのこぎり歯のようになったこと。

不思議だと思いませんか?なぜ波形が変化したのか。。。



次は、電源電圧12Vで、オシロスコープの1CHはMOSFETソース電流の波形で、2CHにMOS-FETのドレイン電圧を追加した。
ピーク電流は6.6Aで、パルス周期が15ms、ON期間は3.8ms。

追加したドレイン電圧波形をよ~く見ると、面白いことが分かった。

まず、オシロ画面の左半分はOFF期間なのだが、このときコイルが電源につながったままで電流が流れない状態にあるから、12Vになるはず。しかし、ONする直前3msで電圧が少し上昇している。
この上昇は、コイル中心に磁石が近づきつつあるときで、コイルに1.5Vほど起電力が生じている。つまり、コイルは発電しているのだが、回路が切られているので、コイル内にそのエネルギーが蓄積されていて、結果としてわずかながら電圧上昇となっている。

そして、ONになると電流が流れない状態でグランドレベルの0Vに落ちる。しかし、コイルには磁界という形でエネルギーが蓄積している。しかも、電源とは逆向きのポテンシャルで存在している。
このため、電源ONによりコイルに電流が流れようとするのが阻害されてしまう。

そして、このあと、コイルの誘導性を顕著に現しながらゆっくりと電流が流れはじめだす。すなわち、電源電圧に負けてあるべき状態へとゆっくり進んでいく。
最終的には電流波形がフラットになるはずなだが、3.8msかけてもまだ完全に立ち上がり期間が終わってないように見える。

それから、この現象は、8Vのときにはほとんどみられない。つまり、回転速度が上がって初めて起こるようである。
これはテネモスモーターも同様で、回り始めは電流が多くながれるが、回転数が上昇していくにつれ徐々に電流が0になっていくというプロセスを歩む。

以上から、パルスモーターは、ON直前に発電してコイルにエネルギーを蓄積するということが電流を非常に少なくしている要因のひとつだといえそうだ。


残念ながら、今回製作したモーターでは、電流が0に近づいていくというところまでは行かなかった。おそらく、まだまだ調整しなければならない箇所がたくさんあるのだろう。
そして、調整すべきポイントのひとつに、ON直前のコイルの充電ができるだけ大きくなるようにするということではないだろうか。

アダムス氏がどうして巻数を多くするようにアドヴァイスしていたのか。
その答えは、この発電を大きくすることにあると言えそうだ。



フリエネ本でミスリードされている?

アダムスモーターを調べていて、当然ながら、いろんな研究者たちがBlogなどに書き込んでいる文章なども読むのだけれど、どうも視点が違うんじゃないかと思うようになってきた。

フリーエネルギーを得ようとしているのだから、エネルギーとか、ポテンシャルとか、そういった要素に対して観察したほうがいいように個人的には思うのだが?

でも、みなさん、装置の構造だとか、回路構成だとか、表面的なことを見てそれぞれ感想を述べているような気がする。中には実験をしないで評価する方もいらっしゃるようなのだけど、それは私としては読むに値しないと思っている。

それで、実際にテネモスさんのモーターを購入している方などの記事を読んだりした。あまりヒントは得られそうになかった。

中にはアダムスモーターをかなりいい感じで作っておられる方もいらっしゃるし、高効率モーターと称して売り込んでいる別な方もいらっしゃる。
でも、人間の欲望がどうしてもからんでいるせいだと思うけど、肝心のところは隠してしまうみたい。特に日本人はオープンにしない傾向が強いと感じる。
ひょっとしたら、この見方がまちがっていて、ご本人はモノを作ったけれど、実際のところどういう原理なのか分からないというのが実情なのだろうか?



ある方は、BEMF、逆起電力のことをしきりに書いてらっしゃるのを見つけた。
「新力・エネルギー論」という本があって、私も実際に購入したのだが、この本にはフリーエネルギーは、逆起電力であるといわんばかりに書いてある部分がある。
これを読んだ当時は、そうなのか!すごいな!と正直思っていたが、今は、信用していない。
それで、この方は、この本を信じているのかもしれないなと思ったし、そこに焦点を集めすぎてもっと肝心なことが見えなくなっているんじゃないのかなと、思った。

私自身が何年も実験を繰り返してきたから、そう思うようになったのかもしれない。



パルス型モーターの製作

テネモスモーターを作って、静電気が発生していた事実をつきとめようと思う。

それで、手持ちの部品で素早くできないものかと検討してみたところ、アダムスモーターあるいはBedeniモーターのようなものであれば作れそうだ、ということになった。

アダムス(Bedeni)モーターとテネモスモーターの共通点は、基本は直流モーターであることなのだが、一般的なモーターと唯一違うのがコイルの励磁方法だ。

一般的な直流モーターは、ずっとコイルに電流を流し続ける。磁石の極性が変わるたびにコイル電流を逆転させる。逆転させるためのスイッチは、軸につけたブラシで行うか、電子回路で行うかなどいくつか方法が存在する。

一方、アダムスモーターやテネモスモーターにおいては、回転子側の磁石がコイルに近づいたときだけ電流をながしてコイルを励磁する方法になっている。コイル電流を通常はOFFしておいて、一瞬だけ電流を流すのでパルスモーターに分類されることもあるようだ。だから、ここではパルスモーターと表現することにする。
そして、特筆すべきは、アダムスモーターもBedeniモーターもテネモスモーターもフリーエネルギーの研究対象となっていて、非常に効率が良いということだ。

外見上、マグネットとコイルの位置関係が異なることや、
スイッチ回路に一方はトランジスタ、もう一方はリレーを使っていること、
出力の取り出しには逆起電力を利用すること、
テネモスモーターは入力電流がほとんど0になる点や呼吸するモーターとうたっているなど
特徴の違いなどある。
しかし、個人的には本質的に同じだと考えている。



SQM装置実験のために作ったEXコイル(φ1ミリワイヤー、110回巻)2個と
以前にUFOモーターの実験でつくった直径170ミリのアルミ円板、活性水用に購入したネオジウム磁石(25*20*5)2個、パワーMOS-FET IRFP460C(500V 20A)、リードSWなどでモーターを作った。

このコイルは、1つが0.25Ωしかない、いわゆる電流をたくさん流して高速回転させるタイプのDCモーター用と同じ。アダムスさんの製作記事には、コイルは巻数を多くするようにと書かれているようだが、それと相反することは押さえておかねばならないポイントだ。

では、いよいよ実験開始。


マグネットのコンデンサー化

前回、静電気が装置に発生して、その結果として入力電流が小さくなり、出力が大きくなるということが起きているのではないかと考えた。

それで、SQM装置の上下に位置する磁石板をコンデンサーにして、コイルを挟み込んだ形にしたらどうだろうかと、実験してみた。


磁石にアルミ箔を貼り付けてリード線を出す。

コイルに発生した逆起電力をキャンセルするために取り付けてあったフライホイールダイオードのアノードを+電源側から外して、それを上側に配置したアルミ箔のリード線につなぐ。
下側のアルミ箔から出たリード線をグランドアース側につなぐ。
これで、コンデンサにはコイルに発生した逆起電力が蓄えられる。
それだけではコンデンサとしての容量が少ないだろうからと思って、手持ちの0.1μF 1000kV耐圧のフィルムコンデンサを並列に接続してみた。

この状態で実験を行ってみたが、状態に変化はみられなかった。つまり、失敗。


静電気が発生したのではないかという考え方は間違いだったのかもしれない。
磁石が帯電したら、スイートが見逃したりしないだろうなぁ。


では、次はどうするか?

「静電気」発生メカニズムを究明するには、テネモスモーターを作るのが早いはず。作ってみようと思う。




2016年4月1日金曜日

発想の転換とかブレークスルー、いや、昔から電球が点灯することだった

2ヶ月ほどの間、いろんなコイルを作って実験を繰り返したが、成果は得られずにおわった。

一体型で振動を抑えてみた。
PWコイルの巻き数をいろいろ変えた。
等方性フェライト磁石で確認。PWを上下2分割して、PW・EXコイルの巻き数が同じもの。鉄心の有無。


いろいろ作って、思い返したら、同じことをぐるぐる繰り返していることに気がついた。


  • コイルとコイルの同調がポイントなのか
  • コイルの磁力が強くないと駄目なのか
  • 振動が問題なのか
  • PWコイルは上下分割でなければ駄目じゃないか
  • バリウムフェライト磁石が必須じゃないか


さすがに、バリウムフェライト磁石を特注することは無かったのだけれど。


そんなことがあって、実験からすこし離れて、何か目新しいヒントになるようなことが上から降りてこないものかと、気持ちブラブラしていた。


そうして数日後、降りてきたかも。




数年前に見学にいったテネモスのモーターのことが浮かんできた。


テネモスモーターは、動画にもあるように初めは1A以上も電流が流れているのに、時間とともにゆっくりと電流が下がっていき、0Aぐらいになって安定する。
このコイルの消費電流がほとんどなくなるということが、このモーターの最大の特徴だ。
呼吸するモーターとも呼ばれていて、エネルギーの吸収がおきているとの説明も聞いた覚えがある。

このモーターを見学していたときに、ある人が回転している円板のそばに手を近づけて、静電気がすごいよと教えてくれたのだった。
その当時は、あまり気にしていなかったのだけど、これは大きなヒントかもしれない。

「静電気」の存在。


SQM/VTAにおいても入力電流が数μAになるということが資料に書いてあった。
ここ数ヶ月間、自作コイルでこの入力電力が減少する状態をどうしても確認したくて頑張ってきた訳だが、単にコイルと磁石の組み合わせだけで生じるものではないとの疑いが濃くなってきた。それで行き詰っていた訳だが、ひとつ進展しそうである。


つまり、一方は回転モーターで一方は静止型コイルという形の違いはあるものの、動作中は入力電力が極端に減少するという共通点があるのだ。

SQM/VTAでは、静電気に関する記述は見かけなかったが、誰も気がつかなかった可能性もあるだろう。

また、グレイモーターとか、こういうフリーエネルギー装置には、スパークだとか発光現象だとかつきもの。
これらも静電気が関与しているのではないか。。。



SQM/VTAに使われたバリウムフェライト磁石だが、酸化鉄に添加されるバリウムが特殊な作用を起こしているように思う。
チタン酸バリウムというセラミックは、強誘電体として有名なのだが、ひょっとしたら、誘電作用が磁石の中でおきているのではなかろうか?
そして、コンデンサーのように静電気を集めて、溜まった静電気がコイルのつくる磁界と相互作用をおこして、不思議な現象が起きている。。。のではないか?


これは実験してみるしかない。




余談だけど、子供の頃アニメや漫画をみていたら、なにか思いついたときには必ず白熱電球が点灯する様子が描かれていたけど、あれは白熱電球を発明したエジソンと関係があるのかな?