2019年5月25日土曜日

テスラの発明は直流電源を使っていない疑惑

テスラ本を読んでいて感じたこと。

その本文中に紹介されている装置は、全て交流電源を用いることを前提としている。このことから、テスラは、高周波高電圧交流に大変興味を示していることがよくわかる。そして、高周波高電圧交流を作るのに、交流発電機を利用することなどが紹介されている。

一方で、巷に出ているテスラ関連の情報は、装置の電源が直流を使っているものばかりが目立つ。もっとも有名なテスラコイルも高電圧ではあるが直流電源なのだ。テスラは本当にこんな回路で実験していたのだろうかと疑問が出てきた。

例えば、分裂放電コイルの説明では、電源は交流発電機を使うと述べている。挿絵の回路図もそのようになっている。
私もコイルを使うのだから、交流を利用するのはすごく自然な発想だと思う。わざわざ整流して直流にしてから高周波高電圧交流にするよりも、低周波交流から高周波交流にすることが可能ならその方がシンプルで合理的だ。そして、テスラほどの人ならそのようにするだろう。

そんなことを考えていたら、これはテスラの発明ですと、その回路に直流電源を使っていたとしたら、どうだろうか?
「ちょっと待てよ。これは本当にテスラの発明なのか?」と疑う方が良さそうだ。

2019年5月19日日曜日

ピジョン起電機

ピジョン起電機を作った。

これはピジョン起電機を完全に再現したものではなく、ディスクを1枚にして誘導子の電源を出力から独立させたタイプ。
ウィムズハースト起電機は、2枚のディスクを使って対向円板のセクターを誘導させているが、ピジョン起電機は、固定誘導子を用いている点が異なる。今回はその点を応用しただけで、ピジョンの持つ電荷のリークを抑える仕組みはまったく使っていない。

集電子、誘電子、中和子は下の画像のような配置となっている。
以前作成したディロッド起電機に近い構成となっている。唯一異なるのが、誘電子の電源を集電子から得るのではなく、誘電子専用に集電子を設けている点だ。
これは、ディロッドよりも優れている。集電子には色々な負荷がつけられるので、電位の変動が大きい。ディロッドの場合、電位が下がると誘電能力も低下するので効率が大きく下がる。しかし、ピジョンの場合は、誘電子と専用の集電子が独立しているので、負荷変動が起きても起電能力は低下しない。

そもそもなぜピジョン起電機を作ったのか。
それはテスタティカ装置がピジョンを発展させたものだとの記述があったからである。どのような原理で動作しているのかを確認しておきたかった。
そう言う理由が背景にあり、さらにこの装置はあちらこちらに真鍮メッシュを貼り付けてある。
通常はアルミ箔を使うところをメッシュにすると、電荷の空気中への離散が大きくて効率が悪いのではと思ったのだが、それほど問題はないように見える。

前に紹介したテスラ本の中で、テスラは高電圧・高周波において空気は導体となると述べている。現代の無線工学でも、浮遊容量と言うものが存在することを認めているが、その先を見越した発言だと受け止めている。
そして、このピジョン起電機で、スパークギャップを持つ負荷をつけ、それが発火したときに、回路中の電流は大きく揺れ動き高周波振動をする。その瞬間にこのメッシュ電極が作動し、空気中のエネルギーを吸い込むのではなかろうか。
そんなことを考えながら作った。

結果、手で回した程度でも発電しており、最高電圧や電流量はディロッドに多少劣るものの、それほど悪くないと言うのが個人的な感想。

それから、ディロッド起電機は電荷を持つロッドが集電子との間で反発する静電力が強く働くので装置の電位が高くなると極端に回転が重くなると言う欠点がある。
このピジョン起電機は多少反発を生じさせているようであるが軽微だ。これは、アクリル板を配置して、近づいてくるセクターの持つ電荷と反対の電荷がアクリル板の表面に現れるようにし、引力が生じるようにしたのが良かったのかも。

今回、電極の摩擦抵抗を小さくするために、導電性ゴムではなくアルミ箔で尖った三角形のものを作り、出来るだけセンターシャフト付近に配置した。かなり抵抗は少ないのだが、反面接触不良がよく起きる。
セクターのあるタイプは、そのセクターの電極面に接触させないと集電ができない。金属から電荷を取得するには接触させなければならない原則がある。それを改善するには、セクターの無いタイプでやるしかない、と感じた。

動画は、起電機を手で回転させて、ネオンランプを点灯させるもの。
ついでに、ライデン瓶の有無とその効果がわかるようにした。
ライデン瓶の外側の極同士を鎖でつないだら、双方のライデン瓶の相対電位が固定されるために、たくさんの電荷が蓄えられるようになる。そして出力電流が増え、ネオンランプの点灯が明るくなり、スパークギャップの閃光も見えるようになる。

一方、鎖がないときはライデン瓶の外側は空気との間で浮遊しているだけなので、電荷を蓄える容量が小さい。

実験をしていくことで、こういった知見が見出されて蓄積されていくのだろう。

虹、環水平アーク

5月5日のお昼頃、八王子に現れた神々の祝福。




薄く雲がかかっていますが、それが羽衣のようでもあり、幻想的な感じがしてすごく良い。

ゴールデンウィーク中に日本各地で見られたようなので、日本の国が神々に守られていて、数年単位でしばらくは良い方向に進むであろうことを告げられているのでしょう。


2019年3月21日木曜日

ニコラ・テスラの「完全技術」解説書

この本を読んで、ニコラ・テスラの考えていたことが少し理解できてきたように思う。


翻訳・解説して下さった、井口和基先生にはとても感謝です。

特に、最後の解説がとても良く、テスラのやっていることがズバリわかる。

最初の方を読むと、当時はまだ、ホルツ装置やウィムズハースト装置が使われている時代だったのだなと言うことや、それら静電起電機の作り出すスパークをテスラの実験と比較しているのだなとか、そう言う状況が分かってくる。現代の電子回路とは全く世界が違う。つまり、原点が違うので、現代の科学に慣れてしまっていると思わぬところで大切なことを見逃してしまう可能性がある。そう言うことを教えてくれる。

例えば、テスラコイルを作るのに、電子回路を駆使した方が良いと言う発想からアレンジしてしまった装置では、同じ現象が得られない可能性が出てくると言うことなど。

2年ほど前に、静電気の実験をいくつかやってきたが、これも決して無駄ではなかったと個人的に思った。

本物のテスラコイルだとか、スタインメッツのテスラコイルのことも書かれているので、機会があれば、実験してみたいと思う。

2018年6月10日日曜日

高電圧直流電源を作った

昨日紹介したスパークギャップと平行して、ネオントランスを使った高電圧直流電源を製作していた。そして、こちらはすでに完成している。

これは電源装置を上から見た画像。
コンテナボックス内に右上から、スライダック(3kV)、ノーヒューズブレーカー、ネオントランス(100V/15kV、入力160VA)、平滑用オイルコンデンサー(2500V 1uF x3個直列接続)、ブリッジ整流器(30kV 200mA)をセットした。
 まだ動作確認していないので設計値ではあるが、出力はDC 7.5kV 20mA。

ブリッジ整流回路は、3kV 0.2Aのダイオードを10個直列にしたものを4セット作ってアクリルケース内に収納した。高電圧用のブリッジは、なかなか入手が難しいのでこうなった。

こちらは平滑用のオイルコンデンサー。2.5kV 1uFx3個を銅板で接続し、7.5kV 0.33uFを作った。それと、並列に電圧測定用の抵抗もつけて、アクリルケースで覆った。

この電源装置を使うことで、今までよりも少し大きな実験ができるようになると思う。

これまで行ってきた実験は、規模も小さく、容量も少なかったので思ったほどの結果が得られていないのではないかという反省から、今後はできる限り大きくする方向で考えた結果である。

つまり、オーバーユニティとなるボーダーラインがあって、それを超えない限りダメではないかと考えている。

規模を大きくした途端に、設計も費用も製作時間もかかるようになって、なかなか前に進みづらくなった感じがする。しかし、何とかして結果を出したい。

2018年6月9日土曜日

製作中のレーザー励起スパークギャップ装置

レーザーユニットを購入してから随分と時間が経過してしまっているが、少しずつ製作は進んでいる。約半年かけて作ってきた様子をまとめてアップしてみる。

これは、3月頃に作成したスライド台(左側)とレーザーユニット取付金具(右側)。

そして、レーザーユニットと取付金具。

5月頃、仮組みした様子。

これが今の状態。内部の電極を取付中。

ギャップを0〜3センチで調整できるようになっている。この部分に多くの時間が取られてしまった感じ。

もう少しで完成。

物が完成したら、ちゃんとレーザーでスパークギャップがONするかどうかを確かめてみる予定なので、本当に使えるようになるのはずっと先かな。


2017年12月28日木曜日

青紫光レーザーモジュールを入手した

UV硬化3Dプリンター用のレーザーモジュール。波長は405nm、出力は800mW。これを使って実験する予定。
外部からのTTL信号(〜20kHz)でレーザー光のOn/Offができるようなので都合が良い。


合わせて、ゴーグルも購入。